中村岳@税理士法人アイアイティー@浦和

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業界騒然!相続税評価の新旧比較とタワマン節税の終焉

はじめに 「タワマン文学」がちょっとした流行となりました。タワーマンションの高層階・低層階の住民たちの悲哀を、皮肉を込めて描いたネット文学です。痛々しさが際立っており敬遠してしまいましたが、こうしたネットミームが誕生するほどに、 『高所得者→タワーマンション』 という印象が世間に浸透していることを浮き彫りにした代表例とも言えます。  そんなタワーマンションですが、令和6年(2024年)1月1日から相続税の評価方法が大きく変わります。この変更により、特に高層階の物件で相続税評価

    • 土地建物の税金、大丈夫?:知っておくべきポイントと最新の法改正

      はじめに 土地の売買は、不動産業者でもない限りそうそう経験するものではないし、金額も大きくなりがちなので気を使いますよね。  ここでは土地建物の譲渡に関する税務上の取り扱いについて、ポイントと最新の法改正を含めて解説いたします。 本文1.譲渡所得の基本 土地や建物を売却した場合、所得税の計算上「譲渡所得」として扱われ、他の所得と区分して計算される分離課税の対象となります。この譲渡所得は、不動産の保有期間によって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分類され、適用される税率が異

      • 小規模宅地等の特例の概要:複雑な要件もフローチャートでバッチリ!

        はじめに 土地や建物を相続する場合、その評価額が高額になりがちで、相続税の負担も大きくなってしまいます。特に近年の都心部の地価上昇は無視できないものがあります。  この記事では「小規模宅地等の特例」について解説します。この特例を使うことで相続税の納税額がゼロになることも珍しくありませんが、適用の可否については非常に複雑ですので、整理しながら詳しく見ていきましょう。 本文1. 小規模宅地等の特例って何? 小規模宅地等の特例は、相続した土地の評価額を使用状況に応じて最大80%減

        • 個人事業主が法人化を考えるとき:未来を見据えた経営判断のポイント

          はじめに  個人事業主あるいはこれから商売を始めようと思った方は、(会社作った方がいいのかな・・・)と一度は考えたことがあるかと思います。ここでは、多くの個人事業主が直面するいわゆる「法人成り」について、総合的な視点から考えてみましょう。  法人化は単なる税金対策ではありません。それは、あなたの事業の未来を左右する重要な選択です。この記事では、将来のビジョンを中心に据えつつ、経理面や税制面の実務的なポイントも押さえながら、法人化について考えていきます。単なる登記費用が安いから

        業界騒然!相続税評価の新旧比較とタワマン節税の終焉

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          負債を相続したら?:相続税の債務控除と、医療費控除での取扱い

          はじめに 相続では現預金、不動産、株式などのプラスの財産だけではなく、借金や未払金などマイナスの財産(負債、債務)を引き継ぐこともあります。  今回は、相続税の債務控除と、確定申告・準確定申告での医療費控除での取扱いについて解説します。トータルで考えると分かりにくくなりますが、文中のフローチャートも参考に取りこぼしのないように整理してみましょう。 本文1.相続税の債務控除とは  相続税の債務控除は、被相続人(故人)が残した債務や未払金を、相続する財産の総額から控除すること

          負債を相続したら?:相続税の債務控除と、医療費控除での取扱い

          どこまで評価を下げられる?相続税・贈与税の土地建物評価の概略

          はじめに 現金や預金、上場株式の金額はわかるけど、土地とか建物の金額はどうやって計算するの?と疑問に思った方もいるのではないでしょうか?   この記事は、相続税額・贈与税額のざっくりとした見込額を算定するための足掛かりとなることを目的としています。相続手続きの大きな関門である相続財産の金額評価ですが、相続財産の大部分を占めることの多い不動産の評価方法をざっくりと理解することで、必要に応じて事前対策を講じることも可能となります。 1.評価の基本原則評価時点はいつなのか?  

          どこまで評価を下げられる?相続税・贈与税の土地建物評価の概略

          納税のボーダーライン:相続税の基礎控除の考え方を整理しよう

          はじめに 「基礎控除」は、相続税や所得税を始めとした個人にかかる税金に特有の考え方です。これは憲法に規定されている最低限度の生活保障、生存権の確保の観点から政策的に設定されているものです。「この金額以下であれば税金は発生しない」という基準となる金額ですが、相続税の基礎控除額は条件によって変動します。  相続税の申告が必要なのか、納税が発生するのか目安となりますので、概要を押さえていきましょう。 1.基礎控除の定義と意義 相続税の基礎控除とは、端的に言えば「相続税が課税されな

          納税のボーダーライン:相続税の基礎控除の考え方を整理しよう

          源泉徴収漏れは命取り:源泉徴収のキホンを押さえよう!

          はじめに 源泉徴収。とにかくめんどくさいしよく分からないという話もよく聞きます。この記事では、中小企業の経営者や人事担当者の方々にとって避けて通れない、苦手な方がたくさんいる源泉徴収制度についてお話しします。  給与計算とは切り離せない制度ですので基本を確認しておきましょう。 本文1. 源泉徴収って何?簡単に言うと... 所得税法の規定では、「居住者に対し国内において〜給与等..の支払をする者は、その支払の際その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10

          源泉徴収漏れは命取り:源泉徴収のキホンを押さえよう!

          その預金は誰のもの?:名義預金のリスクと対策

          はじめに 「この預金、子供に贈与したことにしちゃえば相続税がかからないんじゃないか・・?」みたいなヒラメキを得た方はおられるのではないでしょうか。  この記事では、相続や贈与の際に思わぬトラブルを引き起こす可能性のあるいわゆる名義預金、実質所有者課税の考え方について解説します。  基本的な知識を持つことで大きなリスクを回避できるよう、名義預金の定義、よくあるトラブル、判断基準、対策まで、できるだけわかりやすく説明していきます。 本文1. 「名義預金」とは 「名義預金」という

          その預金は誰のもの?:名義預金のリスクと対策

          知るほどに恐怖する認定賞与のリスクとダメージ

          はじめに (あの領収書、経費計上しちゃおうかな・・)といった誘惑に駆られた経験のある方は多いのではないでしょうか?  この記事ではいわゆる「否認」(損金計上が認められないこと)されるケースにはどんなものがあるのか、また実際に否認された場合にはどんなペナルティが課されるのかについて確認しましょう。 「これって大丈夫?」役員賞与として認定されやすい経費 税務調査で役員賞与として認定されやすい経費には以下のようなものがあります。心当たりはありませんか? プライベートっぽい支出

          知るほどに恐怖する認定賞与のリスクとダメージ

          どこまで落とせる?交際費のアリorナシ

          はじめに 交際費は税理士と社長さんの間で認識が大きく分かれる論点の一つです。「みんな経費で落としてるよ!」という、小学生のような言い訳が出てくるのもこの交際費だったりします。  この記事では、何が交際費なのか?除かれるものはどんなものか?交際費課税の計算方法、書類の保存方法、税務調査でよくある指摘事項などについてお伝えします。 1.どんなものが交際費になるのか?  交際費等とは、法人税法では  「法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈

          どこまで落とせる?交際費のアリorナシ

          出張費の適切な管理法:知っておきたい経理・税務のポイント

          はじめに ビジネスにおいて欠かせない出張。営業担当者は常に不在で日本中、世界中を飛び回り、いつもオフィスの中はガラガラなんてことも。  本記事では、会社が従業員や役員に支払う出張費や出張手当について、経理や税務の観点から解説します。とかく節税の話が取り上げられるこの論点、適切な管理方法と大事なポイントを押さえていきましょう。 本文1. 出張費と出張手当:似て非なる二つの違い  まずは「出張費」と「出張手当」の違いを理解することが重要です。  『出張費』は、交通費、宿泊費

          出張費の適切な管理法:知っておきたい経理・税務のポイント

          7年後の未来を見据えて:相続税法改正で変わる生前贈与の新ルール

          はじめに 生前贈与。おもに親から子への財産の移転などで行われることがあります。理由は税金対策だけではなく、認知症への事前の対策ということもあるようです。  令和6年(2024年)1月から、相続税、特に生前贈与について大きな変更がありましたので確認していきましょう。 目次 はじめに 主な変更点:生前贈与の加算期間が延長 1-1. 令和5年(2023年)12月31日までの贈与 1-2. 令和6年(2024年)1月1日から令和8年(2026年)12月31日までの贈与 1

          7年後の未来を見据えて:相続税法改正で変わる生前贈与の新ルール

          相続税の課税対象と非課税財産:何に税金がかかるの?

          はじめに  相続税は資産家の税金、というのも今は昔。相続税法の大改正により、平成末期からは申告の対象となるケースが増えています。  まずは何が相続税の対象になるのか、ならないのかを把握する必要があります。ここでは主なものを取り上げてみます。 目次 はじめに 課税対象財産:こんなものも課税の対象 1-1. 本来の相続財産 現金・預貯金 有価証券 不動産 動産 貸付金 借地権 ゴルフ会員権 1-2. みなし相続財産 死亡保険金 死亡退職金 1-3.

          相続税の課税対象と非課税財産:何に税金がかかるの?

          相続税申告:10ヶ月で乗り越える11のステップ

          はじめに  身近な方を喪った悲しみの中で、相続税申告という大きな山が待ち受けています。この記事では、相続税申告の流れを11のステップに分けて解説します。長いようで短い10ヶ月という時間制限。クリアすべき要点をお伝えします。 1.法定相続人の確定:相続手続きの出発点  相続税申告の第一歩は、法定相続人を確定することです。被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本を取得し、誰が相続人であるかを正確に把握します。複数の相続人がいる場合、早めに連絡を取り合うことが重要です。  相続手続

          相続税申告:10ヶ月で乗り越える11のステップ

          プロフィール

          ごあいさつ  こんにちは。こちらは中村岳のプロフィールのページです。名刺に載せきれないことを載せています。よろしくお願いします! 基本情報  中村 岳(なかむら たかし)  税理士法人アイアイティー     代表社員 税理士  税理士番号 137734  税理士法人番号 4449-1  関東信越税理士会 浦和支部  昭和 49年 2月 2日生まれ  合格科目   消費税法    所得税法   相続税法   財務諸表論   簿記論 事務所所在地  〒330-0074