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60年代風ステレオセット作成-調整が難しい

総合真空管アンプの回路は、とりあえず問題がなく音が出る事は確認した。
がしかし、音が出るのと、最適なセッティングで仕上げるという事は、全く違うという事を痛感している。

問題点1:
出力の音が小さすぎる。

レコードからの微弱な信号を6AU7→CR型フォノイコ→6FQ7(SRPP)→6CS7(2段シングルメインアンプ)の構成で能率の悪いスピーカー(84dBあたり)で出力するとニアフィールドで聴いて何とかものになる程度の音量にしかならない。
まだしっかり身についていない設計技術(特性図上にロードラインを引く事など)を試行錯誤しながら、できるだけ出力を大きくとれる様に手持ちの抵抗を探しながら負荷抵抗や自己バイアスに使う抵抗を変えて見た。

試行錯誤しながらロードラインを引くが自信はない。

少しずつ音量は上がってきたが、やはり、能率の高いスピーカーユニットは必須の様である。
小口径のユニットでは難しそうで、少なくとも、FE126NV(フォステクス)の92dBぐらいは欲しいところである。

音質は悪くなく、個々の楽器の音色がハッキリ聞こえて、音色も心地が良い。

問題2:
雑音性能が良くない

音量を出したいと思いFE126NV(92dB)に繋ぎ、ボリュームをMAXにするとニアフィールドで結構なハムが聞こえる。
ジーという音だが、音楽が流れている時はそれほど気にならないのだが、曲間ではハムが少し気になる。
ボリュームをMAXから3時ぐらいに下げるとハムは気にならなくなるが、音量を犠牲にしなくてはならない。

ボリュームを下げるとハムがなくなるという事は、その前段にあるプリアンプの雑音対策がうまくいっていないのだろう。やはり、フォノイコ内蔵のプリアンプの設計、作成は、難しいのだなぁと実感している。
特に今回の様な真空管を前面に出して、CR系はラグ板に配置して裏面に取り付け、見栄えをを重視した構成では、思いの外配線間隔が長くなりハムを拾いやすいのだろう。プリアンプだけでも、もっとコンパクトにまとめてケースでシールドする構成の方がベターであろう。

現在の私の技術と、この構成、構造では、この程度の出来栄えでも満足せざるを得ないのだろう。現時点でこれ以上の改善が見込めないので、この状態で先に進める事にしようと考えている。

さていよいよ、この総合真空管アンプを本体に組み込み、その上にレコードプレーヤーを乗せてみよう。その後に両脇のスピーカーシステムを配置すれば役者は揃う。

そして、いよいよ本体の化粧周りを検討する段になる。どんな形に仕上げようかと頭の中で構想している時がたまらなく楽しいのである。