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田中泰延さん、ベートーヴェン『第九』の歌詞を訳してくださってありがとうございます。

田中泰延さんのトークをイベントで聞いてからファンになってしまって、今日は伝説の「ベートーヴェン『第九』【連載】田中泰延のエンタメ新党」(https://www.machikado-creative.jp/planning/21673/)を読んだ。

で、初めて「歓喜の歌」の歌詞の意味を知った。
以下に田中泰延さん訳の歌詞を抜粋で紹介する。

「歓喜の歌」 シラー=ベートーヴェン (超訳:田中泰延)
O Freunde, nicht diese Töne!  
Sondern laßt uns angenehmere
anstimmen und freudenvollere.

おお、友よ、こんな音ちゃうねん!!
歌おうやないか!!
もっと喜びに満ちた音を響かせようやないか!!

Freude, schöner Götterfunken,
Tochter aus Elysium
Wir betreten feuertrunken.
Himmlische, dein Heiligtum!

うれしいやないか! 神々しいような光がさしとる
まるで天女みたいにきれいや
みんなで天上の世界まで行こうやないか!

Deine Zauber binden wieder,
Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Brüder,
Wo dein sanfter Flügel weilt.

魔法みたいな力が わしらをひとつにすんねん
そら世の中は厳しいで みなバラバラに生きとる
そやけど、みんな兄弟になれるんや
おおきな鳥の翼の下で集まるみたいに

Wem der große Wurf gelungen,
Eines Freundes Freund zu sein,
Wer ein holdes Weib errungen,
Mische seinen Jubel ein!

自分は幸せや、言えるやつおるやろ
こいつはマブダチや、いえるやつと出会えたやつ
この人と一緒に暮らしたい、いう人と巡り会えたやつ
その嬉しさをいっしょに祝おうや!

Ja, wer auch nur eine Seele
Sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wer’s nie gekonnt, der stehle
Weinend sich aus diesem Bund!

そや! その通りや! 人はひとりぼっちで生まれてきても
この地球の上で 大切な誰かができるんや!
そんなんでけへんわ、いうようなやつは帰れ!
泣きながらどっかへ行ってまえ!

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この歌詞の「身近な幸せを掲げて『幸せだ!』と叫ぼう」「みんなで『嬉しさ』を祝おう」というメッセージがとても強く私の心に響いた。

しかもこの歌詞は「身近な幸せを見つけることを諦めるヤツはどっか行け!」とまで言っている。

この日記を始めて毎日のいいなぁ好きだなぁを見つけるようになってから、ポジティブ思考が結構育ってきた気がしていたが、「幸せだー!!」「うれしいぞー!!」というようなエネルギッシュなポジティブ思考は能動的にしていなかった。「幸せだー!!」とか「うれしいぞー!!」とかいうエネルギッシュな心の動きは、どこかからやって来る出来事に突き動かされて生まれるものだ、という先入観みたいなものがあったのだ。

でも、そういう受け身的な感動だけじゃなくて、自分から見つけて掴んで叫んで実感する「幸せ」や「喜び」だってあるんだよなと、この第九の歌詞に気づかされた。

第九は音楽だけでも偉大だし好きだったけど、こんなにも深いことを伝えようとしていたのだということを、大阪弁の翻訳で気づかせてくださって、コラム読む前よりずっとずっと第九を好きにさせてしまう田中泰延さん、やっぱさすがすぎます。

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