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4.3兆円?

11/8、財務省HP「外貨準備等の状況(令和4年10月末現在)」が発表されました。

外国為替相場の安定のために行う為替介入等の原資として外国為替資金特別会計及び日本銀行が保有する外貨準備資産の状況を明らかにするものです。

https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/official_reserve_assets/index.htm

8月、「2.8兆円の為替介入を行いました」と報道されました。

財務省発表では2兆8382億円とあります。
「手持ちのドルの一部を、2兆8382億円のに両替した」ってことです。
「2.8兆円も使って一時的に円高になっただけで効果なし」とかボロクソに言われてましたけど、実は2.8兆「使ってません」。使ったのはドルです。1ドル142円だと199.8億ドルくらい使った感じです。
では、そのドル、いつ、何円で手に入れていたのでしょうか?
「お金に色はない」ので難しいですが、過去、2011年に「8兆円の為替介入」をやってました。この時には「円高是正」が目的で、8兆円を払って1039億ドルくらい買ったようです。(当時1ドル70円台。平均して1ドル77円と仮定。)
今回使った199.8億ドルを、1ドル77円で仕入れていた(?)とすると、それが1ドル140円で売れたのであれば、1兆5390億円が2兆8382億円になって帰ってきた計算になります。差益1.3兆円?

10月、「6.3兆円の為替介入を行いました」。

統計では6兆3499億円。これも「手持ちのドルを円に両替した」のですが、9月よりさらに多額。1ドル147円と想定すると431億ドル使った感じです。しかもドル高。8月と同じく同じく1ドル77円で仕入れていたと仮定すると、3兆3261億円くらいが6兆3499億円になって帰ってきました。差益3兆円?

そもそも日本の外貨準備高はいくらなのかというと、
2022年8月末、1兆2920億ドル、うち証券1兆0367億ドル、預金1361.1億ドル。

2022年9月末、1兆2380億ドル、うち証券9852億ドル、預金1361.12億ドル。

2022年10月末、1兆1945億ドル、うち証券9413億ドル、預金1371.17億ドル。

キャッシュ増えとるやん?

「日本はアメリカの言いなりで多額の米国債を買わされて、しかも売るとアメリカが怒るので、絶対売ることが出来ない」という話を、過去にどこかで聞いた記憶があるのですが、2022年「米国債を売りました」。債券価格が下落しているのでドルベースでは損失が出ているかも知れません。でも為替レートがすざまじく、数%程度の価格下落なら吹き飛んでしまいそうです。

今、米国の輸出企業はドル高で苦しんでいる。MicrosoftもAppleも「為替要因で利益が伸びなかった」と頭を抱えています。それと、FRBも「金利を上げたい」。FOMC4回連続+0.75%爆速利上げ。市中金利を上げるには「債権を売る人が増える」というのも効果的。つまり、アメリカ的には、日本が米国債を売ってくれるのはむしろ歓迎なのかもしれない、今は。

ドル買い(円高是正)の資金(円)は、政府短期証券という1年以内に償還しなければならない借金で調達します。政府短期証券というのは金融機関しか購入できません(個人は買えません)。期限が来たら国庫から償還しないといけない。
ですから、「売れた売れた」といって、円転した全額を「わーい埋蔵金!」といって使うのは筋違いで、元本部分は国庫に返すのが筋だとは思います。
でも、差益分は、何かいい使い方できないかな?
何しろ4.3兆円ですよ?4.3兆円

サポートをいただければとても嬉しく思います。 写真を撮ったり、書き物をしたり、そういう活動に活かします。