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リモートオフィスの参考になるでしょうか?

「自営業」と「リモートオフィス」は全然違いますが、機材の選定や運用については、リモートオフィスと多少は共通するところもあるかと思うので、少しだけ書きます。うちは自営業なので、以下「全ての機材を自分で用意する」という前提になりますが、企業のリモートワークで、今まで全くリモートワークを考えていなかったところには、多少参考になる部分があるかもしれません。

・親が死んでもバックアップ

仕事で一番「代替の効かないもの」は、データ。何十万円のアプリケーションでも消してしまったら再インストールできます。でも、仕事で作ったデータは「他所では売っていない」。
2007年、過去3ヶ月分の仕事のデータを飛ばしてしまったことがあります。ある程度は復旧ソフトを使ってサルベージできましたが、復旧出来なかったデータも多く、その後の仕事に支障を来しました。
外付けHDDにバックアップ、という方法もありますが、いかんせんPCの近くに置くため、PCが天災等で壊滅すると一蓮托生となってしまう。
今はクラウドストレージを借りています。手元のHDDと連携、随時自動的にバックアップがクラウドに。そのクラウドのバックアップを、別のクラウドでバックアップ(1日1回、自動)。
バックアップは、天災や機材の故障より、むしろ「あ!今うっかり消してしまった!」という時に活躍することの方が多いです。

・データ(ストレージ)の安全管理

ストレージは原則として会社のLAN内にあるサーバのストレージを使用、リモートワークではVPN経由で会社のサーバに接続、という運用であれば、バックアップは会社側でサーバのストレージをバックアップするという方法を既に採用していると思います。
ただし以上は「会社にサーバがある」ことが前提。大手はだいたいそうです。
中小企業では、仕事用のメールは「法人契約のレンタルサーバ」でメールアドレスを運用、データは社内LAN内のNASで共有というケースが多い。
リモートワークと関係ないですが、NASのバックアップを取っていない会社が案外多い。繰り返します、「親が死んでもバックアップ」。
そして、リモートワークに対応するためにはVPNで社外からNASにアクセスできるように。
しかしNASすらない会社もあります。データを個々人のPCに蓄積するというのは、安全管理上とても危うい。ましてその個々人のPCをリモートワークで持ち出すとなると、なおさら危うい。まずは、データの暗号化保存と、バックアップを兼ねたクラウドストレージ利用の検討をお勧めします。
実際、大手IT企業が聞いたら泡を吹いて倒れそうな脆弱なシステムで切り盛りしている中小企業って、結構多いのですよ。

・椅子は大事

座り仕事になる人は、くれぐれも良い椅子を。
うちはオカムラのContessa使っています。7年前に購入、11万くらい(消費税5%)。徹夜とか長時間の連続作業で効果を痛感します。本当に腰が痛くならない。以前使っていた2万円の安い椅子は腰が痛くなりました。「2万円の椅子を安物というのか?」と思うかも知れませんが、現実はそうです。
古い大手企業や官公庁では椅子が一種のステイタスになっていて、平社員に11万円の椅子を支給してくれません。でも、そういう束縛がないのですから、体に優しく、作業能率の上がる、良い椅子を選ぶべきです。

・セキュリティ

OSやアプリケーションソフトのセキュリティFIXは必ずチェック。
データの流出にも気を遣います。ルータのパスワードをデフォルトまま使うなんて、あり得ません。
いわゆる「ウィルス対策ソフト」というのは、今時ウィルスなんて流行っていないということで不要論を唱える人も居ますが、私は必要論。昔は確かにコンピュータウィルスを検出・除去するのが目的でしたが、今はそれより、「改竄されたWebサイトのシャットウアウト」や「メール内のURLの飛び先チェック」などがメインになっています(ただし完全ではない)。
「Macはウィルス対策ソフトが不要」という話も聞きますが、現実はそうではない。確かにMacのウィルスというのは少ないのですが、それより「危険なWebサイト」の遮断の方が重要。
「危険なWebサイトなんて行かない」という方、それは誤解です。大手企業や官公庁の正規のWebサイトが「改竄されて」危険なサイトになっていた、という事件が現実に起きています。
フィッシングメールにしても「そんなものには騙されない」と思っている人こそ要注意で、多くのフィッシングメールはメールソフトの「迷惑メールフィルタ」でブロックされますが、それをすり抜ける、普通のメールと見分けが付きにくい巧妙なフィッシングメールが次々に現れています。メールサーバの管理が不適切で、正規のメールアドレスが乗っ取られ、正規のメールアドレスからフィッシングメールを送りつけられるという事件も発生しています。

……とまあ、そんなところでしょうか。
何かのお役に立てることがあれば幸いです。

サポートをいただければとても嬉しく思います。 写真を撮ったり、書き物をしたり、そういう活動に活かします。