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『21世紀の経済政策』と選択的財政支出

 さる6/30に浜田宏一先生によるインタビュー集,『21世紀の経済政策』が発売されました.ここまでのメンバーが同一テーマでのインタビューを受けてくれたということ自体がすごいことです.同時代史の貴重な資料として,後の経済史・学説史研究の基礎文献となることはまちがいない.

 帯にもあるとおり,2000年代~2010年代の日本の経済政策について,「ノーベル経済学受賞者ら89人が語り尽く」してます.本日は「ら」のひとりとして感想と新たな気づきなどを.

 2012年末(あえて2012年……私は政策の転換は2012年秋からはじまると思っている)からの日本の経済政策,なかでも金融政策の転換に関する歴史的な証言については岩田規久男先生の日記が,そして,量的・質的金融緩和の変化や展開についてはつい最近まで審議委員をつとめていた原田泰氏のメモワールがつい最近発売されたばかり.両日記とも飯田がちょいちょい登場しています♪

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