見出し画像

第三次産業活動指数(2020年6月)速報を急ぎ紹介

 本日(8月14日)は第三次産業活動指数(2020年6月)速報値の日.来週月曜(8月17日)には4月-6月のGDP速報値(QE1)が発表されますが,その値を推測する上でも重要な情報の一つです.
 まずは公式発表資料のヘッドラインから.

さんかつ

とのことですが,ちょっとアゲすぎです.その推移を見ると回復は非常に限定的.緊急事態宣言の全国解除が5月25日ですから,6月の数値は当然5月よりはそれなりにはましになるのは当然でしょう.本マガジンでもここのところdead cat bounce(激しすぎる下落の後には多少は反発上昇する)という表現を毎回使っていますが……今回もそれ.

 下図は2015年の活動水準を100とした第三次産業の活動水準指数(以下データはすべて季節性を考慮した値です).総合=第三次産業全体の(加重)平均値です.

画像2

 ただし,証券会社の予想は6%台の上昇を予想するものが多かったので「予想よりは弾んだ」のは確かです.これをうけて,来週のGDP速報値も市場関係者予想(前期比▲7.5%前後)よりはやや上に行きそう.

 総合指数は2015年水準100に対して94.コロナ前に対しては1割マイナス程度までは回復してきてはいます.一方で,この反発そのものは非常に小さい業種もあります.その代表が観光関連業種・飲食サービス業です.

画像3

 観光関連は鉄道・バス等の必ずしも観光に限定されない業種も計算に含まれているためやや急回復しているようにみえますが……旅行業(旅行代理店など)は6月に入ってもコロナ前の1割の水準での活動になっていることから,やや過大推計と思われます.
 飲食店・飲食サービスについても同様です.より細かな分類に注目するとコロナ前の7.5割まで回復しているレストラン,むしろコロナ前より増えているファーストフード(←なぜか経産省はこの表記^^)に対して居酒屋・パブレストランはコロナ前の3割程度と依然厳しい状態が続きます.

 よりこまかな数値については,公式ページの解説などを産業いただければと思いますが,この他にもクリーニング店の回復がどうも思わしくなかったりとさらなる分析が必要なようです.

 来る4-6月期GDP速報を前に,予告編的に第三次産業活動指数を紹介してみました.来週は鉱工業生産指数・第三次産業活動指数と照らし合わせる形でGDP速報解説週にしようとおもっておりまして……次週をお楽しみにですmm

ここから先は

0字

サポートに限らずリアクションは執筆の励みになります.今後もコンテンツ充実に努めてまいります.