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『約束はできない』Revisited

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雨の粥が二十歳の頃に初めて作った薄い冊子を十数年ぶりに再現しようという企画です。
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2022年6月の記事一覧

詩をめぐる『約束はできない』その5

詩をめぐる『約束はできない』その5

机上の紙に何が記されていたのか、今となってはもうわからない
紙の上の文字は姿を消してしまった
かつてそこに描かれた軌跡は残されていない

プールサイドにあるジャグジーの泡だけがその内容を知っている
それは飛び込み台について書かれた不思議な詩だ
有名ではないが誰もが知っている詩、つまり電光掲示板に映し出されるロケットだ
詩人は口笛を吹くように呪文を唱えている
森の木々の最初の一本はどれだろうかと考え

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瞬間『約束はできない』その4

瞬間『約束はできない』その4

結び合う雨と、響きあう雨
文章が意味をなしている詩と、ちぐはぐな詩

それは生活だ
マンションの陰で、ふたりは期待を膨らませている
自転車は六本の電柱を通り過ぎる
勇気の出る靴下を履いている、ドアノブの色について考える
美容室で順番を待っている間、紅茶を飲みながら眠る
家に帰って洗濯をする、部屋で歴史や環境に関する記事に目を通している
それらは木々の夢を見せる詩だ

すっかり暗くなったグラウンドで

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幼い魚たち『約束はできない』その3

幼い魚たち『約束はできない』その3

ろうそくの信頼が、おやすみのキスと夜明けのさよならの間で揺れる
生命の割れたガラスは椅子の上で動けないでいる
どこへも行けない幼い魚たちがそこではわずかな言葉をもち、窓枠で悶えている

石鹸のないバスルームの陰で、幼い魚たちの声が聞こえるだろうか
それぞれの鼓動は泡の中で涙を流している
真夜中の悲しさがこだまするのは、ヘアドライヤーの音が沁みこんだ冷蔵庫
コードの繋がっていないそれは、新しいドレス

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