なつき

ライター/元国税職員 ファッション好きな一児の母

なつき

ライター/元国税職員 ファッション好きな一児の母

最近の記事

名前を呼ばれない子

私は、世間から見れば相当恵まれた子供だっただろう。 働き者の父、優しいけどしっかり者の母、愛嬌たっぷりのかわいい弟との4人家族だった。 父は小さな会社を経営し、順調に業績をのばしていった。愛情たっぷり注いで育てている2人の子供を私立の中学高校一貫校に入れてくれた。 年に一度は海外旅行に行き、冬は北海道にスキー旅行。かなり裕福に育ててもらったと思う。 私たち家族は完ぺきだった。ある点を除けば。 ■ 私の名前はえま。 でも、あるときから私の名前は家族から呼ばれること

    • 私について

      但住 一石 奈都貴(たずみ いちいし なつき)です。元国税職員でフリーランスライターとして活動しています。但住に仕事を依頼したいという方に向けて、私の経歴やお受けしている仕事内容、実績などをまとめています。 ご連絡をいただく前にご一読いただけましたら幸いです。ご連絡はTwitterのDMもしくはntat1010@gmail.comよりお受けしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 経歴 2005年-2006年 子ども英会話教室にて英会話講師兼教室運営として働く。

      • いつか大人になる君へ

        2016年、私は母になった。 長い不妊治療期間を経て、顕微受精でようやく授かった子宝。 妊娠判定の日、検査薬の陽性を見た時は、嬉しいというよりも報われた想いが強かった。不妊治療には痛い注射や採卵後の苦痛など体の辛さだけでなく、周りがどんどん妊娠していく焦りや陰性が続くことへの不安など、心の辛さも伴うからである。 蝉の声が煩い夏の日、人一倍大きな泣き声をあげて生まれたわが子は、私に光と希望をくれる輝かしい存在に思えた。 数日の入院後、自宅でわが子との生活がスタートした。

        • 私が書く理由

          書く仕事がしたい、そう思った。 幼少期の私は、曽祖母が習字をしている横にくっつき、習字の真似事をしていたらしい。(その頃の記憶があまりなく、母から聞いた話である)。 来る日も来る日も、曽祖母の千里に会いに行っては、千里にぴったりと小さくふわふわした足をくっつけて、真似事の習字をしている私を見て、母は『この子はおとなしい子に育つわ』と思ったらしい。 毎日文字を書いても飽きず、たんたんと書き続けた私。もうこの頃から、書くことに生きる意味を見出していたのかもしれない。 超安

        名前を呼ばれない子