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今年は桜の写真を撮らないと決めた

○マスコミは恐怖を煽りすぎだと思っていた

「ただの風邪だろ」「毎年インフルエンザで何人死んでるんだと思ってんだ」当初は僕はそう考えていた。
折しも花粉症の季節。マスコミが恐怖を煽り、市民はマスクの買い占めパニックになったことで、花粉症のぼくはマスクを気軽に買えず、マスクが必要にもなさそうな者達が買い占め、さらには高額転売するようなあさましさに辟易していた。

一方で手洗い、消毒が徹底的に奨励され、ふだんトイレで手も洗わないようなヤツまでも手洗いするようになり、逆にみな清潔になってよかったねと、半ば皮肉的にも見ていた。
(実際、内科にかかる友人が医者から「今年はインフルエンザの患者が明らかに少ない」と聞いたらしい。)

学校が休校になり、会社員がテレワークになり、対面せずともネットで学べ、仕事ができると知った人類は、きっとこの苦難を乗り越えれば「あの苦難こそ真実の“働き方改革”のきっかけだった」とのちに語るであろうとも見ていた。

だが、そんな自粛ムードが2週間ほど続いた3月の3連休。
多くの自治体が花見のイベントを中止し、都内の公園も宴会の自粛を求める報道が出ていたが、せめて缶ビール片手に桜並木を歩くくらいなら……と近場の公園へ散歩に出かけてみて驚いた。

ぽかぽか陽気にほぼ満開の桜の下、多くの花見客がシートを広げて、いつもと変わらぬ花見をしている。

ニュースではテレワーク疲れとか言い出して、通常出社を戻る会社も出ていると報道している。

この頃から、日本は感染者数はじわじわと上がり、世界の状況は厳重な都市封鎖へ。
あいかわらずマスコミは恐怖を煽っていたが、事実、危機的な情勢に変わっている。
なのに日本人は、たった2週間の自粛の疲れと、咲き誇る桜に、みな心が緩んでいて「これは危ない」と感じた。

1ヶ月前のぼくは「ただの風邪だろ」「毎年インフルエンザで何人死んでるんだと思ってんだ」なんて考えていたが、もう考えは改めた。
自分が罹患するしないの問題ではなく、もはや世界規模の社会と経済の危機なんだ。

○花見の帰省を中止した

実はこの春、地元の桜を見に帰省しようと計画していたのだが、小池都知事の外出自粛要請が出る前に、中止にした。
自分がもし無症状の罹患者だったら――という考え方で、実家にいる高齢の祖母の事を心配してのことだ。

桜には、魔力がある。春の陽気と合わせ、人の心を開放的にする。
だから、ぼくは今年、桜の写真を撮らないことにした。もちろんSNSにアップすることも。
桜の魔力が皆にも伝染してしまうと、見に行こう、外に出よう、集まろうという気持ちの隙が生まれてしまうだろう。

それは、先週の3連休で、ぼく自身が「散歩くらいならかまわないだろう」と出かけたことも、その場で見た、花見客の呑気な様子にも現れている。
つくづく、都知事も外出自粛要請を出すなら、あの3連休の前だったんじゃないかと考える。

○週明けは引きこもることにした

この文章を書いている今、外は季節外れの大雪だ。
見出しの写真はさっき家の前で撮った。けっこうな勢いで積もっている。
日曜にこの様子では、本来なら明日は、けっこうな交通混乱が起きてもおかしくない。
この雪は、SNSでも多くの人が書いているように、家を出るな、自粛しろという天の啓示なのかもしれない。

これまでぼくは毎日空いてる電車に乗って仕事場に出かけてもいたが、もし雪が降らなかったとしても、週明けからも引き続き自宅で仕事しようと思っていた。
それは地元の祖母を考えてのことと、同じ理由だ。

期間は状況を見つつ、1週間? 2週間? それはわからない。
完全に家から出ないわけではない。買い占めには参加していないし、毎日の食料の買い出しは普通にする。

それに通院している病院が仕事場の近くにあるので、週1くらいは仕事場に出ようと思うが、まあそれくらいは許してもらいたい。
もし、状況がさらに悪化し、完全な封鎖が行われなければの話だが。

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