DE&Iで大切なのは「考え続けること」、多様性を活かし全員活躍できる組織とは
「DE&I」とは何でしょうか?
それは、私たちの日々の仕事や働き方にどのような影響を与えるのでしょうか。
イグニション・ポイントでは、「優秀で多様な人材が集まり、互いに挑戦し合える組織」を目指して、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)の取り組みを進めています。
社員一人ひとりが互いの価値観を尊重し、支え合いながら、全員が活躍できる職場づくりを目指しています。
この取り組みの背景には、創業当時から掲げている「ゆたかな人生のきっかけを提供する」という理念があります。これまでの活動を通じて、社外からも一定の評価をいただいています。
今回は、「違いを許容する働き方」をテーマに社内勉強会を開催し、多様な視点を持ちつつ、どのように働くかを話し合いました。
勉強会での気づきや学びを、皆さんと共有いたします。
働き方の多様性を支える仕組みづくりに向けて(話し手:田中)
多様性・公平性・包摂性が企業に求められる理由とは?
現代社会において、企業は単に利益を追求するだけでなく、社会的責任を果たすことが求められています。
その中でも、多様性(ダイバーシティ)、公平性(エクイティ)、包摂性(インクルージョン)の推進が企業の重要な使命となっています。多様な背景や視点を持つ人々が共に働き、公平な機会が提供されることで、企業は新しい価値を創造し、競争力を高めることが可能です。
また、従業員が自己のアイデンティティを尊重され、安心して働ける環境が整うことで、企業内の活力が向上し、持続的な成長が実現されます。
ダイバーシティからD&I、そしてDE&Iへ
これまで、企業は「ダイバーシティ」を重視してきましたが、次第に「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」が主流となり、さらに「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」という考え方が進展してきています。これは単なる多様性の確保にとどまらず、公平な機会と包括的な環境を提供することの重要性が認識されてきたためです。
多様な人々が共に働く場を提供するだけでなく、個々の異なるニーズや背景に応じたサポートを行い、全員が最大限に能力を発揮できるようにすることが、現代企業の成功の鍵となっています。
さらに最近では、「DEI&B(Diversity, Equity, Inclusion & Belonging)」という概念も注目されています。「Belonging(帰属意識)」を追加することで、従業員が自身の価値観やアイデンティティを企業文化の中で認められ、深くつながりを感じることができるようになることを目指しています。これにより、従業員のモチベーションが向上し、より良い職場環境の実現が可能となります。
「多様性」が示す対象とは?
多様性には主に「変えることができない・できる」「目に見える・見えない」で分類することができるといわれています。変えることができない・できる、つまり不変的なのか可変的なのかについては以下のように整理されています。
目に見えやすく × 変わりやすいもの:所属組織や職種、経歴、働き方など
目に見えやすく × 不変的なもの:年齢、人種、国籍など
目に見えにくく × 変わりやすいもの:能力、ライフスタイル、仕事観、目標など
目に見えにくく × 不変的なもの:ストレス耐性、性格、価値観など
このような多様性について、一人ひとりが理解し、その重要性について納得すること、つまり「腹落ちする」ことが「違いを活かす組織」になるには必須と言えるでしょう。
DE&I活動の推進による効果
では、企業はなぜDE&I活動を推進するのでしょうか。
それは、DE&I活動を推進することで、経営において4つの大きな効果が得られるからです。
その4つの効果は、社外インパクトと社内インパクト、直接的(財産的価値)と間接的(非財産的価値)という切り口で分類することができます。
プロダクト・イノベーションの効果
性別、年齢、出身国、キャリアパス、他業界経験、学歴の6要素で経営層の多様性を測定。その結果、多様性のスコアが平均以上の企業は、売上高に占めるイノベーションの割合が19%ほど高くなっています。プロセス・イノベーションの効果
多様な人材の増加は、柔軟な働き方の実施等、そういった人材の活躍に向けた取り組みとセットで行うことで、生産性の向上が期待できます。職場内の効果
ダイバーシティ経営を重視している企業は、「働き方の効率化・生産性向上」「エンゲージメント向上」に効果を感じている社員の割合が高くなっています。社外評価向上の効果
ダイバーシティ経営の恩恵として、日本企業を含めた多くのグロ ーバル企業が「人材の獲得」や「業績の向上」と回答しています。特にミレニアル世代は、就職先を選ぶ際に、企業の「多様性や受容性の方針」を重要視し、女性はこの傾向が顕著です。
このように、企業が多様性を尊重して経営に取り組むことはポジティブな影響をもたらします。まずは、現行の経営方針の中で実践できる施策を見つけて、それを実施していくことが成果への第一歩となります。
イグニション・ポイントにおけるDE&I活動推進の必要性(話し手:齋木)
ここまでは、現代企業においてDE&I推進が競争力を維持するための必須要件であることをお話ししました。
ここからは、イグニション・ポイントが掲げる「ゆたかな人生のきっかけを」という理念と結びついた、私たちが目指すDE&Iの推進についてお話しします。
現在、日本全体で労働人口の減少が進み、企業は採用競争の激化に直面しています。当社においても、優秀な人材を確保することはますます難しくなっています。若者や女性の多くが「多様性を重視する企業」を選ぶ中で、企業が多様性に応えることは、優秀な人材の確保に直結します。
また、顧客や生活者の多様化が進む今、企業がDE&I活動を推進することは、より多様なニーズに応えるためにも不可欠です。
私たちは、創業以来掲げる企業理念「ゆたかな人生のきっかけを」の実現に取り組んでいますが、「ゆたかさ」の定義が多様化する中で、画一的な人材や発想しかない組織では、この理念の実現は困難です。
このような理由から、私たちイグニション・ポイントは、DE&I活動を通じて多様性を推進し、組織全体の持続的な成長と個々の従業員の「ゆたかさ」を実現するための環境づくりに取り組んでいます。
違いを許容する働き方を考えてみよう(ケーススタディ)
全社勉強会当日は、会場とオンラインそれぞれ2つのグループに分かれて、各々のケーススタディをもとに議論を展開しました。参加者全員がDE&Iの意味や必要性、そして当社におけるDE&Iの目的を理解し、「違いを許容する働き方」について意見を深めました。
【ケーススタディ1】
会場参加グループのメインテーマは、子育て中の方や夜間MBAに通う方、新卒2年目の方など、勤務時間に制約のあるメンバーが所属するプロジェクトにおいて、マネジャーとしてどのようにプロジェクトを円滑に進めるかという課題です。
【ケーススタディ2】
オンライン参加グループのメインテーマは、「リモートワークをしているメンバーに比べて、出社しているメンバーの評価が高くなってしまうのは仕方がないのか」という問いについて議論することでした。
【主な意見】
30分ほど議論を重ね、最後は各グループの代表者が意見を発表しました。
私たちらしい「DE&I」とは(まとめ:齋木)
今回、私たちは全社勉強会を通して、DE&Iの必要性や当社での活動目的について理解を深めました。また、ケーススタディを通じて「違いのある働き方」について活発に議論を交わしました。
多様性のある働き方を受け入れるためには、互いにリスペクトを忘れずに、公平であると感じられること、全員がその必要性を腹落ちすることが重要です。
まずは違いを共有し、得意なことだけでなく苦手なことも伝えられる心理的安全性が守られた環境を整え、助け合える雰囲気を作ること、コミュニケーションが重要です。
また、ライフステージの変化や時代の流れに伴い、働き方も変わってきます。ですから、「これが答え」というものはなく、常に考え続けていくことが大切です。
DE&I活動はこの場限りではなく、各自が持ち帰り、自分がどのように周囲と関わるべきかを考え続けることがとても重要です。DE&I活動は今年だけでなく、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えています。
今日がDE&I活動の第一歩であり、そのきっかけになれば幸いです。
【登壇者プロフィール】
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