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塾に行かせれば、子どもは賢くなるのか?

いま、多くの子どもたちが塾や習いごとに通っている。より良い教育を受けさせ、有名大学に行かせ、一流企業に就職させたいと願う親たちが、教育に力を入れている。

子どもの将来を気遣う親心はよくわかる。だが、不況から脱することのできない現在、収入は下がり、子どもを塾に行かせることのできない家庭が増えてきた。ここに、「教育格差」という問題が起きている。

お金のある家庭は、評判の良い塾へ行かせ、教育に力を入れることができる。だが、貧乏になってしまった家庭では、行っていた塾をやめさせざるを得ない状況になっている。すると、学力が下がり、有名大学にも行けず、就職にも苦労する、というが……。

ここに私は、大きな疑問を持っている。塾に行かなければ、本当に学力が下がるのか。もし、そうであるなら、日本の教育制度そのものが間違っている。学校が機能していないということになる。

確かに、教師のレベルは落ちているが、学習内容については充分であるし、塾に行かなくても成績の優秀な生徒は多い。この件に関しては、学校に問題があるとは思えない。

すなわち、貧乏で塾に行かせられないことが、学力の低下に繋がっているとは言えないのである。教育機会が多いか少ないかなどは、まったく関係ない。塾に行っても、成績の伸びない生徒は多い。問題は他にある。

親の教育に対する意識が低いのではないか。

親の意識とは、教育機会を増やすことではなく、学ぶことの楽しさ、学ぶことの大切さを教えることではないか。

貧乏な親は、塾に行かせられないことを悲観する。貧乏だから無理だと諦める。その結果、教育を放棄してしまうのである。子どもの成績が良くなるかどうかは、親の意識の問題であることをわかっていない。

親が高い意識を持って、子どもに接していれば、子どもは自然と学んでいくものである。親が勉強を教える必要などない。自分から学んでいくよう、導いてあげれば良い。

本やテレビ、映画、何でも良い。子どもが興味を持ちそうなものと接する機会を数多く与えてあげるのである。本人が興味を持てば、そこから学ぶようになる。

そして、学ぶことで得る満足感を知る。これこそが、学ぶことの楽しさなのである。楽しさを知ると、興味の幅が広がり、さまざまなものを勉強するようになる。自ずと成績は上がる。

貧乏だから良い教育を受けさせられない、などというのは間違いである。親次第で、教育の格差など、なくなるものである。

「お金が無ければ、私立の高校や大学には行かせられない」という親もいるだろう。だが、ある程度の学力があれば、国公立の高校・大学に進学できる。

国公立でさえお金が出せない、という場合でも、国公立なら「学費免除」の制度が利用できる上、奨学金を借りることもできる。奨学金には、返す必要のないものや利息のつかないものもある。

お金が無くても、良い教育を受けさせることはできるものである。貧乏を嘆いたり、金持ちを妬んでも、何も変わらない。

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