親と子のたんぱく質の盛り方
“肉食系”を自認している健康な方以外のすべての人、特に慢性疾患にり患してる方、多くの女性、こども、老人、炭水化物依存な男性などは、意識的にたんぱく質摂取を増やすことをお勧めします。
たんぱく質摂取は、1回きりではなく“生活習慣”として、継続することに意義があります。
今稿では、特に不足しやすい“女性とこども”に向けて、たんぱく質摂取を継続するポイントをまとめてみます。
この記事は、公式ブログ( 2020.06.30)のものを、一部改変し転載しています。
たんぱく質摂取のむずかしさ
ダイエットなどでほとんどの人は経験済みだと思いますが、食事の習慣を変えるのは結構たいへんです。
一時だけなら根性で何とかなるかもわかりませんが、年単位での継続は根性論ではどうにもなりません。
たんぱく質量を増やすことは、高齢になるほど重要になるため、一生かけて続けることが目標になります。できるだけストレスなく、できれば楽しんでやれる習慣にしたいですね。
なので、脳や生理機能の特徴をつかみ、根性や努力を使わない方法が求められます。
たんぱく質代謝がおちてるかも?:節約モード
前稿にも書きましたが、たんぱく質不足が続くと、たんぱく質の消化吸収機能がおちます。
このことが、たんぱく質をとると「もたれる」「身体が重い」「お腹をこわす」といった訴えにつながります。
こどもの頃からお腹が弱いので「そういう体質だ」と信じている人もいるようですが、人の身体は、形を保つこと(構造)も動いたり働いたりすること(機能)もたんぱく質なしでは行えないようにできています。
たんぱく質を食べてなくても、きちんと動けているように思えるのは、胎児~乳児・小児の時にたんぱく質を身体にたくわえているから、その再利用で何とか賄うことができているだけといえます。
そして再利用分を“代謝がおちる”という状態で、節約して生きていることになります。
実際、その“たんぱく質代謝をおとしての節約”という身体の適応が、さまざまな症状や状態を作り出しているようです。
(いずれ記事にします;節約しながら生きていられるならいいじゃない、という考え方もあります。が、それは身体がまだ若くて、少ないたんぱく質のやりくりで何とかなっている間だけ、という条件つきです。若くなくなったり大きなストレスにさらされたりすると、様々な外の刺激にうまく身体が反応できなくなってくる、適応力が発揮できなくなるといえます)
どこかしら「調子が悪い」ところのある人は、“節約モード”になっている可能性が高いと思います。
代謝がおちて節約モードの身体になっている時、たんぱく質摂取を増やしても、初めはうまく消化できません。体調不良をきたす場合もあります。
たんぱく質摂取を増やすと必ず代謝はよくなってきますが、一進一退(にみえる)だったり、時間がかかったりします。
なので、ここにコツがいるということになります。
たんぱく質をとると便通が…:腸内細菌の低たんぱくモード
「便通が悪くなる(便秘・下痢)」もわりとよくある訴えです。
身体の適応と同じくらい、腸内細菌も“普段食べているもの”に適応しています。
なので、食べるものの質や量を変えると、あたふたします。それが、便通、腹痛、おならなどの症状になって現れてきます。
これらは場合によっては、体調不良よりも日常生活に影響が大きかったりするので、腸内細菌にも配慮しながら、食事内容を変更したほうがいいことになります。
食物繊維や発酵食品をうまく足していくことが、便通の改善の解決策になりますが、これも個人差が大きく、他人にとっての最適解が自分にも当てはまるわけではないことを知って、自分にとっての最適解を探す少し長い道のりを覚悟した方がよいでしょう。
(参考までに♪腸内細菌について ↓ )
はりまる健康相談;常在微生物のよろこぶ環境づくり~免疫その⑥‐2
はりまる健康相談;野菜の効用①:食物繊維と腸内細菌
糖質制限しないとだめ?
以前ちらっと書きましたが、私は糖質制限から入りたんぱく質盛りへ移行しましたが、糖質制限とたんぱく質摂取は別の理論です。
なので、たんぱく質盛りに糖質制限は必須ではありません。
特に女性とこどもは、糖質はある程度はあった方がうまくいくので、巷で言われているような厳しい糖質制限はむしろお薦めしません。
しかし、糖質でお腹がいっぱい(満足感がある)になってしまっては、十分な量のたんぱく質を食べることができません。
たんぱく質には別腹がなく、満腹になりやすい食品です。
これは、こどもにたんぱく質を食べさせる時には、重要なポイントになります。
食事量が多くないこどもでは、特にたんぱく質は優先的に食べさせないと、結局量が入らないという事態になりがちです。
糖質は「ゼロ」をめざす必要はないけど、うまく摂る(減らす)必要があると、考えています。
もちろん、糖質制限によってえられる(とされる)「脂肪を燃焼しやすくなる」「組織の糖化(老化の一種)をふせぐ」などの恩恵も、うまく手に入れたいですね。
続いて実践編へ ↓
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