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対決シリーズ#1 常磐線と総武線を戦わせてみた

はじめまして


みなさんはじめまして
鉄道のブログを書いてみようと思い立って、
投稿してみることにしました。
なんちゃっ鉄と申します。


これを書いている現在は、
外出自粛で自宅待機状態が続いていますが、
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
自宅待機で、外にも出られないので、
家の中でできることを考えていたら、
あることを思いつきました。


普段、電車なんかに乗っていて、
漠然と思うことがありました。
鉄道会社は運賃を線路の長さで決めているけど、
線路が大回りしていたら、
余計に取られてしまっているんじゃないか?

・・・・・・。
鉄道を移動手段として考えたときに、
3つの大きな要素があると思うんですよね。
1つは距離。1つは速さ。1つは運賃。
より早く、より安く、より遠くへ です。


もちろん速い方が良いですし,
遠くへ行ける方が良いですし
同じ距離なら安い方がいいですよね。


でも、線路がどんなに曲がっていても、
どんなに変な形をしていても、
運賃っていうのはその線路の長さに応じて払います。

「営業キロ」と言われる、
運賃の基準になっている線路の長さ。
それを基準に、
距離に応じた運賃っていうのが、
設定されています。


だけど、
ある駅から自分の最寄り駅と
その隣の駅までの運賃が、
まったく同じだってことがありますよね。

という事は、
1キロあたりの運賃っていうのは、
区間によって完全に同じではないわけです。
お得な区間と損している区間があるはずです。
それがどうなのかっていうことも含めて、
調べてみることにしました。

常磐線VS総武線


コスパの良さ

そして、どうせ調べるなら似たような路線を、
比べてみようということで、
今回は第1弾として、
投稿主が沿線に住んでいる常磐線の快速と、
同じく主がかつて沿線に住んでいた、
同じ千葉県でJRの快速である総武線の快速。


この2つの路線を、
戦わせてみることにします。
区間は総武線が東京駅から千葉駅まで、
起点駅を除いて9駅。
常磐線は上野駅から取手駅まで、
起点駅を除いてやはり9駅。


運賃のわりに早く、遠くへ行ける路線を
コスパのいい路線とします。
さて、どちらの路線のほうが、
コストパフォーマンスが高いでしょうか。
またどの駅間が、
コストパフォーマンスが高いでしょうか。
それぞれを数値にしてみることにしましょう。


数値は、2駅間の直線距離と速さをかけたものを
運賃で割ります。
評価値(コスパ)
= 直線距離 × 速さ ÷ 運賃
言い換えると
評価値(コスパ)
= 直線距離 × 直線距離 ÷ 所要時間 ÷ 運賃


直線距離とルート効率

直線距離の計測の仕方ですが、
各駅の緯度と経度から計算しています。
Google マップで直線距離は簡単に測れます。


でも、それをやるとムラが出てしまう上に
とってもめんどくさいので、
投稿主の無い脳みそでどうやればいいか、
一生懸命ひねり出した計算式で統一したいと思います。

ルート効率について。
線路が一直線の場合は100%となり、
線路が大回りしているところほど、
数字が小さくなります。

線路の長さが直線距離の2倍あれば50%
1.5倍であればあれば67%という具合に。


最初にいいわけをしておきます。
そうは言っても、
地球は丸いので直線距離の計算は
近い値でしか出ないです。


例えば、
ルート効率は、100%を超えるはずがないんですが、
実際には100%を超える区間が結構出てきます。
完全に正確にはならないんです。
なので参考程度で。


それでは、総武快速線の方から。

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ルートはへの字を描いたようになっています。
なので、お互いが離れた遠い駅ほど、
ルート効率は悪くなりますね。


1番ルート効率が悪いのは両端区間の
東京-千葉間82.7%。


ただルート効率80%台っていうのは
そんなに悪くはないです。
平均して80%ぐらいあればいいほうだと思います。
直線距離を4だとすると、
線路の長さが5という感じですね。


悪いところだと50% 60%台というところもあるので、
大体平均くらいですね。
への字に折れ曲がってはいますが、
そんなに悪い線形ではないです。


馬喰町から錦糸町に関しては
115%になっていますがこれは計算上の誤差で、
ほぼ直線という事ですね。
この線形が果たしてどういう結果に結びつくのか。

対して常磐線。

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南千住から上野にかけて、ひらがなのさを描いているかのような
相当大回りなルートがあります。
ここだけ極端に大回りしていますので線形が悪くなっています。
その間のルート効率は50%台、
果たしてこれが最終結果にどう影響するか。


距離は両路線ともほぼ40キロ同じ位の長さです。
実は東京駅から千葉駅まで行く距離で、
上野駅から茨城県の取手まで行けるのですから、
千葉駅が遠いというのか、
茨城が近いというか。意外な感じがしますね。


鉄道の所要時間と表定速度

全区間の所要時間ですが、
意外なことにどちらも42分。
これは時刻表の1日の平均をとっています。

今回は2020年4月1日(水)
下り線のダイヤを使用します。
42分程度で、ほぼ変わらずですね。
よく似た路線ということが言えるでしょう。


本数ですがどちらも100本から130本程度が多いですね。
この2つの路線は有料の特急がバンバン走っていて、
その合間を縫って通勤通学のための快速を走らせている
という共通点がありますので、
似たような結果にはなりました。


1日の本数なんですが、
区間内の始発駅の発車時刻が、
6時から21時59分までの列車のみ
を対象にしています。


また、表の中の本数は乗換を含まず、
2駅間、両方に止まる直通列車の本数になります。
これはこの後出てくる平均待ち時間というものに
関係してきます。


鉄道で移動する際の弱点として、
決められた場所にある駅まで行かなければ
移動できないという点と、
駅で列車が来るまで待たなければ
いけないという点があります。


多く知られている所要時間はこの点を無視した上で、
いちばん所要時間が短い最速列車の
移動時間が使われます。


駅までの移動時間は人によってまちまちなので、
仕方がないとしても、
列車の待ち時間があるという弱点を無視して、
鉄道の将来は無いだろうと
勝手に考えている投稿主は、
この待ち時間を所要時間に含めることにしてみました。

待ち時間の計算をするときに、
朝早すぎる時間帯と夜遅すぎる時間帯を
入れてしまうと、
待ち時間が無駄に長くなってしまうので、
それでルールを決めました。


計算に入れるのは、
原則、区間内の始発駅を
6時から21時59分までに出発する列車。
という事にさせてもらいます。
これはこの後、他の路線が出てきても原則は同じです。

常磐線

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総武線

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平均待ち時間 
= 16時間 × 60分 ÷ 本数 ÷2 [分]

常磐線と総武線の快速列車。
両路線さすが都会の通勤路線だけあって、
平均待ち時間が4分前後となっていますね。


1時間あたり8本とか9本とかそれぐらいあるってことですね。
6時から夜10時までの時間帯に
平均してこれぐらいの本数が走っているということです。

次の表定速度は単純に線路の長さを、
所要時間で割ったものです。

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ここでの表定速度は、
所要時間はダイヤでの平均時間です。
最速列車のものではありません。


前の駅を発車してから
次の駅を発車するまでの時間なので、
少し遅めに表示されます。


これも、駅への到着時間と発車時間が違っていると、
表定速度が変わってくるのですが。
投稿主のめんどくささの関係で
今ここはそういう計算をさせてもらっています。
てへ。


・・・・・・・。
それにしても、
ほんとにこの2つの路線はよく似ていますね。
松戸から柏までと市川から船橋まで沿線の
都市同士を結ぶところが同じような距離で、
同じようにスピードが1番早いところですね。


全区間で見ても、
56.0キロと56.4キロということでほぼ同じですね。
この2つを比べるのは非常に面白いところですね。

次が直線距離表定速度っていう
見慣れない言葉が出てきたんですが、
これは所要時間で割るのは同じで、
今度は、直線距離を所要時間で割っています。

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投稿主が勝手に考え出したものなので、
見慣れなくて当然ですね。


つまり、ルート効率が悪く線形が悪くなると、
ここで一気に表定速度から、
速度が落ちてしまうということになるんですね。

例えば常磐線の上野から南千住は表定速度は38.7km/hですが、
直線距離表定速度になると、
一気に21.5km/hまで落ちてしまいます。
これは線路が大回りしすぎて、
ルート効率が55.6%だからですね。


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その次が待ち時間込み表定速度という、
また聞き慣れない言葉でできましたが、
これは単純に待ち時間を所要時間に含めて計算した。
ということですね。


本数が多ければ待ち時間は少なくなりますし、
本数が少なければ多くなってしまいますよね。
その分も加味した表定速度。
これが待ち時間込み表定速度です。


そして、それらを全部あわせて
待ち時間込み直線距離表定速度。
これは直線距離を
待ち時間を含めた所要時間で割ったものです。

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とりあえず速度の計算はここまでとなります。
たとえば、
となりの駅までの
「直線距離待ち時間込み表定速度」
が5㎞/h だったとします。


すると、その区間であれば
列車を待ってお金を払って行くよりは、
自転車か徒歩で行ったほうが
いいんじゃないですか。
っていうことなんかを表現しているってことですね。


遠くて、ルート効率の高い(線形の良い)
駅間の移動であれば、
ここまで計算してもまだ50㎞/hを
越えているんですね。


総武線だと市川-稲毛間なんか53.4㎞/hですし
常磐線でも北千住から松戸柏方面に向かって
速度が維持されているのが分かります。


運賃と距離と速さ

続いて運賃ですがやっぱり瓜二つですね。
JR東日本などはICでの運賃ときっぷでの運賃が
異なっていますが、ここではきっぷ運賃に統一します。

最終結果が楽しみですね。

営業キロ運賃
これは単純に線路の距離で運賃を割ったものです。
本州のJR在来線だと大体16円から21円位の
キロ単価になりますね。

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線路の長さ1キロあたりの運賃が、
大体それぐらいに収まるということになります。


ただし1駅だったり2駅の近距離をキロ単価にすると
初乗り運賃があるのでだいぶ高くなってしまいますね。

それから線路ほどの速度の話でも出てきたんですが、
直線距離で割ると、
同じように線形が悪いと上がってしまいますね。

たとえば、
上野から南千住の営業キロ運賃は28.57円/km
なのですが
直線距離に換算すると51.39円/km
になってしまいます。


次が表定速度距離別運賃。

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これは運賃を距離と速度で割ったものです。
運賃は安ければ安いほどいいですよね。


それを直線距離と待ち時間を含めたものにしたのが
待ち時間込み直線距離表定速度距離別運賃

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お待たせしました。
やたら長ったらしいですが、
これが最初に書いたコストパフォーマンスを示す、
最終評価の数字ということになります。


でもこれだと小さい数字の方が優秀になって、
訳が分からなくなるので、
かけると割るをひっくり返して逆数にします。
そうすると数字が大きい方がコスパが高い
最終評価値っていうのが出てきます。

これでようやく、冒頭に書いた計算式が完成しました。

ここまでくると、レストランやホテルの評価のように、
星1つ2つ3つっていうような感じで表せるので、
感覚的にわかりやすくなります。

そうして出てきた最終評価値。
これこそが、
その路線における各区間の移動の
コストパフォーマンスの値になります。
さあ、それでは今回この2つの路線。
どんな評価値になったのか見ていきましょう。

栄えある第1戦を制したのは
どちらの路線だったのでしょうか!
あなたが普段使う区間があるなら果たして、
何点が出るのでしょうか。


他の区間と比べて皆さんが普段使う区間は
高いでしょうかそれとも低いでしょうか。

決着!常磐線VS総武線

2路線を戦わせるという
コンセプトでやってきましたが、
ここで勝敗のルールを確認しておきます。

どちらの区間が勝ったかは、
3つの数字で判定していきます。
1つは全駅間の平均値です。
この値がどちらが高いか。


次に中央値。ちょうど真ん中の値がどちらが高いか。

そして最後は最高値です。
各路線の区間のうち最高評価値。
これらのうち2つが高い方が勝ちとします。

まずは、2つの路線のうち、
値が高かった区間ベストスリーを発表します
それでは第3位から発表しましょう


第3位
常磐線 南千住-天王台間  評価値 ★2.611
営業キロ  30.6km
直線距離  26.8km 
ルート効率 87.5%
  
所要時間   29分43秒
本数      105本
平均待ち時間  4.6分
表定速度   61.8km/h
運賃 480円

第2位
常磐線 南千住-柏間  評価値 ★2.64
営業キロ  23.5km
直線距離  21.1km 
ルート効率 90.0%
  
所要時間   21分28秒
本数      105本
平均待ち時間  3.9分
表定速度   65.7km/h
運賃 400円

第1位
総武線 市川-千葉間  評価値 ★2.83
営業キロ  23.8km
直線距離  22.7km 
ルート効率 95.5%
  
所要時間   22分45秒
本数      103本
平均待ち時間  4.7分
表定速度   62.8km/h
運賃 400円

おめでとうございます!!


総武快速線 市川-千葉間を利用されている方!
あなたがこの2区間では1番コストパフォーマンスの
高い鉄道の使い方をしています。
明日から胸を張って電車に乗りましょう!!

それでは、お待ちかねチーム戦に行きましょう。
最高値は上記の通り、
総武線の区間が制して、総武線が先勝。

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中央値は
常磐線は★2.02
総武線が★2.07


平均値は
常磐線が★1.58
総武線が★1.76

ということで僅差ではありますが、
この勝負
総武線の勝ち!!

今回の区間ですが両端では、
上野から取手間が★2.16
東京から千葉間が★2.08
両端区間の勝負(勝負にカウントしない)
は常磐線が一矢報いた形になりましたが、
判定に使う3部門では僅差ながら、
すべて総武線の勝利となりました。

いかがでしたでしょうか
あなたが普段利用している区間は
スコアが高かったですかそれとも低かったですか
投稿主としては、
今回の区間に限らず、
評価値2.00を超えると普段使いしてもかなりお得な、
使える区間だと思います!

次回は秋田新幹線と山形新幹線を
戦わせてみた の予定です
乞うご期待!!



参考にしたサイト
GoogleMAP 
https://www.google.co.jp/maps/@35.8327713,139.9176845,15z?hl=ja&authuser=0
おでかけマップ
https://www.odekakemap.com/
トレたび
http://jikoku.toretabi.jp/
Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8








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