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建築計画

先日、建築計画を受講した。

日本の初代建築家は、千利休という話もあって
兼ねてから茶の湯に興味がある私にとってはとても引き込まれる授業だった。

先生は、設計図をみれば設計者の人柄が分かるという。
また、その時代にどの様な評価を受けたか、どの様な影響を与えたのか、
建築史を学ぶ事によって、その建築物を多角的にみる事ができ厚みのある解釈が出来るようになるのだろう。

今回、ミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸を模写した。

今見ても、美しいこの建築物は恐らく当時の建築界では、尖り過ぎており酷評もされたに違いないだろう。

住宅構造は、四方が硝子板で囲われており、画期的なコア設備が中央にある。
それ以外、室内には壁が無い。家具の配置によって用途をもたらしている。水平垂直の鉄骨で構成されているので、外観に無駄がない。
住居は16M×9Mの広さで、マンション生活では考えられない規模である。
ポーチの様なこの広場は何の為に作られたのだろう。
医者の別荘として建設されたとの記録があったので、
日常につかれたドクターが自然と共存できる空間に仕立てた点は、
ミースの思いやりを感じる事ができる。

話は変わるが、硝子を使ったミニマムな建築物が六本木の新国立美術館の前に展示しているのをご存じだろうか。

吉岡徳人が作ったガラスの茶室である。

屋根も床までも全てが硝子で出来ている。
カナリのインパクトはあるが、ミースの住宅と比較して実用性を考えみる。

さて、そのガラスの茶室で美味しく一服できるだろうか?
個人的な意見として、「場所によっては」というロケーションの条件が考えられた。

これが、地上1000キロメートルの天空での一服と考えると、
この上ない感動を与えてくれるだろう。
同時に何物にも代えられない体験となり、お茶を嗜む人以外にも価値を与えられるイベントになるに違いない。

けれども、現在展示されている美術館の前で一服いただいたとしても、
檻に入ったオラウータンの気分になり、心から楽しむことは難しいだろう。


ミースが設計したファンズワース邸がドクターの日常を癒す為の空間としたならば、茶室と用途は似ているとも考えられる。

人がマインドセットできる空間とは、どの様な空間か。


今とても売れているクッションがある、「人をダメにするクッション」
これは、ただのビーズクッションであるが、居心地の良さが人気を集めている。
子供のころ、商店街のイベントで空気で膨らませたドームで遊んだことがある。 あれは、「空気膜構造」と言われ建築構造の一つでもあるが、
何故かフワフワ揺れているモノの中で遊びたくなった記憶が鮮明にある。

つまり人は、肌感・手触り、触感に心地よさを感じる傾向があり、
スタッズや釘の様な鋭利なものには、危険意識からか?
日常からは、遠ざける傾向が見て取れる。


一例だが、上記の様な心地よさを追求した先に見える、
独自の茶室を考えてみようと思う。
その為には、歴史人物に学ぶ事が多い。現物へ足を運び、肉眼で観察し、
素晴らしい思考を学ぶ。
そして、自身のフィルターを通してオリジナルの茶室完成させる。
今から構想を練り、実現に向けて走る。

授業が面白すぎる。
こんなに楽しくて良いのか?と、童心に戻った気持ち。

建築計画の授業から話はそれたが、巨匠の建築を模写することで
思考をインプットする癖をつけることは、非常におすすめしたい。
これは、尊敬する先生が教えてくれたので間違いない。

これから学んでいく、計画・構造・法規・設計・建築史・環境工学
それぞれの観点を踏まえてより多角的な視点からその建築物のポイントを
見出すことができれば、実現可能な設計図を書く事に繋げられるのではないかと思う。。

さて、妄想ばかり先行しているが、明日は座学。予習しなければ。






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