下町のあったかさに触れた朝。
ある晴れた日の午前中。夕食の買い出しに出かけるため見慣れた街を歩く。この街で生まれ育ち人生のほとんどを過ごしてきたけれど、平日の午前中にただ歩くなんてことはこれまで数えるほどだったと気づく。知っているはずの街の知らない店や風景に出会えるとなんだかうれしい。
肩にさげているエコバックはメルボルンのオーガニックスーパーで買ったものでマチもあり、ビニール袋なんかより何倍も頑丈で気に入っている。特売のたまごや農家から直送された野菜をメインに買い物をすませ、重くなったバッグを抱えて歩