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国境を越えずに台湾へ行く方法

新橋は、他にはない魅力が詰まった場所だ。

私の母が若い頃は、そこかしこから下水の臭いしかしなかったらしいが、今は程よく「きたなシュラン」として年代問わず様々な人を惹きつけている。

駅から少し歩いた先に、まるで台湾に来てしまったかのような店がある。
新橋での予定を終え、ずっと気になっていたその店へと足を運んだ。

コンパクトな店内に、ずらりと貼られたメニュー。
昔、訪ねた台湾を思い出さずにはいられない、屋台のような雰囲気だ。

ここのルーロー飯が、今日のお目当て。
魚のすり身スープとお新香セットで(税込)800円のランチを頼んだ。

届くと、まずはその「茶色」度に食欲をそそられた。
よくよく混ぜて、一口。

ちょとまてぃいい!!!

よく「台湾料理」て書いて、堂々と他国の人がやってる店がある中で、ここの味付けは明らかにガチ台湾だった。

本当の台湾料理は、味付けがごくごく薄め
塩分を取らないから皆んなスリムなのか?と思うくらい、お願いだから、あと一滴しょうゆ垂らさせて?と言いたいくらい、薄味なのだ。

ここは、そこまでではなくとも、そのコッテリ色からは想像もつかないほど自然な味付けだった。
懐かしい八角の匂いが鼻をくすぐって、一度持ったスプーンから手が離せなくなる。 

魚のすり身スープも、かなり薄味なのにきちんと美味しい。


何分で食べ切っただろう?
濯ぐだけでいい位、綺麗な空っぽの器を眺めた。

店員さんに尋ねると、どうやら台中(台湾中部)からやってきたらしい。
私の祖母が台北(台湾北部)生まれだけあって、少しだけ話が弾んだ。

コロナ禍でも一生懸命、元気よく働く姿に勇気をもらえる店だった。

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