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ホテル業界とITシステム#2

こんばんは。アイシーティーリンク株式会社の三好です。
前回に引き続き、ホテルのおはなし第2弾。
私がIT業界に転職する前に27年間勤務していたホテル業界についてアレコレ書いていく第2弾がやってまいりました。

前回までのあらすじ・・・

ホテルには、いろんなセクションがあるんだよって話をしてきました。
そして、ホテルといえば宿泊とレストランですがその中でも新入生として入社したばかりのスタッフは、だいたい飲食サービスに配属される!ってことと、私もまんまと飲食サービスに配属されたというところまで書きました。

実は私はお酒が弱く、飲むと顔が真っ赤になってしまうのですが、そんな私が配属された飲食サービスはなんと、バーラウンジでした。

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バーラウンジとは、朝~夕方はラウンジとして営業しており、簡単な朝食やケーキセットなどを販売し、夕方からはフレンチレストランのウェイティングバー、そのまま深夜までバーとして営業する、飲食サービスの中では営業時間が最長のセクションで、カクテルをたくさん作ったのでレシピは覚えましたが、マティーニとかマンハッタンとか、カクテルグラスで作るお酒がたくさんオーダーされるとテイスティングで酔っ払っていました(泣)

また、新入生には「早番通し」と言われる、7時出勤~26時頃までという過酷な勤務があり、繁忙期になると月の休みは3日しかないというのが当たり前の勤務でした。大げさではないですよ!今の時代では間違いなくアウトですが、当時はバブルが弾けた直後で、まだ少しバブルの余韻がありました。
「24時間働けますか!」なんていうコンプラ違反丸出しのキャッチコピーがCMでバンバン流れる時代です。「企業戦士」なんて言葉もありました…寝ないで働き続けることや長い勤務時間が美徳とされていた時代です。
今そんなこと言ったら間違いなく労基に怒られますね(笑)

そんな過酷なラウンジ勤務は4年間続きましたがとてもいい経験になりました!楽しかったですね。ちなみにその時初めての給料で買ったのはウエイターナイフでした!シャンパンのアルミ箔を剝がしたり、ワインのコルクを抜いたりするのに便利な必須アイテムです。

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先輩のソムリエやシニアバーテンダー・マスターバーテンダーなどはウッド調のすごく高そうなものを使っていて憧れましたが私は無難なヘンケルのエントリーモデルを東急ハンズで買ったのを思い出します。今でも大切にしまってあります。


当時のホテルシステム事情は・・・といいますと、これがまだまだシステムとはいいがたいものでした。

ホテルには部屋付けという考え方があります。
チェックイン時にルームキー(シリンダーキーやカードキー)をもらって客室に入れます。そのキー(部屋番号)でレストランや売店、付帯施設でかかる費用は部屋付けにしておいてチェックアウト時に一括清算するというものです。ホテルを利用されたことがある人は知っているとおもいます。

ここで、疑問を持つ方もいると思いますが、パソコンが普及していなかった当時、場所が離れたところで部屋付けされたものをどうやって宿泊代と合算していたか不思議だと思いませんか!?
特にチェックアウト日の朝食なんて、朝メシ食ったら、そのままチェックアウトなんてザラにあります。

実はこれ、どうしているかというと、走るんです。伝票持って。
お客様よりも先にフロントまで…走らずに走るんです。

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当時レストランやラウンジではPOSレジと呼ばれるものを使用していました。当然宿泊システムとはオンラインでつながっているわけではなくスタンドアローンです。

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会計時、チッツ伝と呼ばれる4枚複写の巨大なレシートのようなものをインパクトプリンターで印字し、1枚目はお客様に渡し、2枚目は経理行き、3枚目が店舗控え、4枚目がフロントに渡すようになっています。部屋付けでない場合は4枚目は破棄しますが、部屋付けだった場合会計直後、お客様にばれないようにニコニコしながらスタッフにフロントまで持っていかせるのです。え!? マジで? Σ ( ̄△ ̄lll)

驚きですよね…一応マニュアル上では先に内線でフロントに連絡をするということになっていますが、繁忙期のチェックアウト時間なんてフロントが電話に出るワケがありません!絶対でません!
だいたいのホテルは10時頃がチェックアウト時間なので、9時半くらいは、レストランや売店などいろんなセクションの下っ端がフロントに走ってました(笑)

ちなみにそれ、お客様がチェックアウトするまでに伝票がフロントに間に合わなかった場合どうなるかというと・・・取り漏れということになります。
こうなるとめんどくさいんです。一応お客様に連絡をして払いに戻っていただくのですが、今のように携帯電話がない時代です。

きっとまだ、すぐ近くにいるのだろうけど、連絡が取れるのは自宅についてからです。たいていのお客様はなんでその時言わなかった!って怒ります。当然ですよね。お客様からしたら送金するか振込するか、もしくはバックレるかいずれにしても労力がかかります。しかも朝食なんて一人1,800円くらいなもんです。その程度の金額でこちらも長い時間かけて交渉するのは面倒です。だからそんなことにならないように、必死にフロントまで走っていました。今ではそんなことやってるホテルはほとんどないと思います(笑)。PMS(ホテルシステムの総称)がオンラインなので瞬時に部屋付けされますので、もう伝票持って走る必要はなくなったということですね。

今回もツラツラと懐かし話をしてしまいましたが、少しは楽しんでいただけましたでしょうか。

まだまだホテルネタは続きます!次回をお楽しみに(^^)/!


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