未知の世界

未知の世界で生きるとはどういうことだろう?

7月後半から疲れを感じにくい。仕事もお盆休み関係なく、むしろいつもよりは大変な状況である。そんな中で、先週末は名古屋周辺、この木曜~土曜にかけては関西周辺の美術館周りをしていた。金曜は午前のみホテルでオンライン打合せ等をした後、午後外出するような生活。移動時間は読書もはかどり、計4冊を読了。活動的と言えば聞こえはいいが、この後にくる反動を考えると少し落ち着いた方が良い状態でもある。そのため、土曜午後はホテルで寛ぎながらi-padで絵を描いて過ごし、今日は観光せずに朝一で自宅に戻ってきた。noteで文章を書きながら、少しは落ち着きを取り戻しつつある週末である。昔なら確実に4日間フルで動き回ってたと思うが、少しは成長したのかもしれない。

さて、キム・チョヨプ氏の『わたしたちが光の速さで進めないなら』の感想。著者は生化学の修士号取得後に作家デビューしており、最先端の研究やテクノロジーにも明るいように感じた。本作はSF短篇集だが、それぞれの話に化学や物理の知識が活かされた創造的な世界が紡ぎ出されており、興味深く読み進めることが出来た。

本作では、人間として生きることが何なのかが問われているように思う。宇宙に広がる未知の世界で生きること、未知の生命体と共生すること。なぜ、未知の存在に想いを馳せるのか。こういったことが、様々な関係性の中で描かれていた。そう、宇宙やテクノロジーの話でも、それが小説として成立するのは関係性が描かれているからである。だから、未知の世界で生きていくとしても、人は何かと関係性を持って、相互作用して生きていくのだろう。ミクロからマクロまで、様々な関係性があるけれど、その中で世界とどういう関係を結んでいくのか。そういったことを考えていければと思える一冊であった。

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