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量子コンピューターの衝撃「コラム」

驚きと生きる!
イチゼロシステムのゆうさんです。

今日、朝のニュースを見ていたら、箕輪さんが100円ショップ向けの本を出すとのこと。
まだ全部読んでないけど「メモの魔力」を子供向けに再編集して出すのだとか。
イチゼロシステムを中学生向けにと考えていたので、7月に出版されたら大人買いする。

今回は、久しぶりに量子コンピューターについて最新動向を調べてみました。
量子コンピューターの話を聞くと、ひと昔の人工知能を思い出す。

なんというか、応用イメージがまったく湧かない。
それもそのはず、私たちが肌で感じることが出来る物理学とは、法則そのものが全く違うからですね。
さらに言うと、私たちが知る3次元のもう一つ上の次元を使った計算だから、未だに「良さ」が分からない。

従来のコンピューターとの違いを説明したり、どこにアドバンテージがあるのかを説明する事は出来ても、商用ベース、すなわち身近なコンピューティングにどう活かされるのかを説明するためには、まだまだ未知の部分が多すぎる訳です。

そして未知な部分が、処理の規模であったり、計算の手間であったり、計算結果の正確性であったりと、どれも商用には不可欠な情報だったりします。

真空管で動いていた初期のコンピューターもそうだったと言うひともいると思いますが、不思議さの度合いが全く違う。

量子コンピューターは、量子ゲート方式と、量子アニーリング方式が存在します。
どう違うのかを簡単に言うと、ゲート方式は、幅広い計算に使えるコンピューターで、アニーリング方式は、組み合わせ最適化に特化したコンピューター。

量子は、見られた(観測)だけで変化してしまうので、超スピーディーに、なにも起こりそうにない場所や状態で計算しなければなりません。
これを、超電導と1000分の1秒という短い時間で行うことで実現している訳です。

実際には、設定、計算、観測みたいなステップを踏んで計算結果を導き出します。

超電導状態では、干渉が最小限になることから、こういった方法で動作させるのですが、量子は一度観測されると、崩壊する(見たから)ので、一度計算するともう一度計算できる状態にするために改めて準備しなければなりません。

とにかく、大掛かりなうえに、手間がすごい。(今のところ)

さらに言えば、どれだけ良い状態で計算しても、ノイズを避けることが出来ない。
それだけ観測するのも含め、量子に干渉しないというのは難しい。。。というか無理。

したがって、その計算結果は、必ずしも正確ではないということ。
私たちが知るコンピューターのイメージは「正確性」ですから、量子コンピューターは、それとはまったく違ったコンピューターであると言えますね。

世界的には、汎用性の高そうな量子ゲート方式にシフトしていると報道されていますが、実用には程遠い印象ですね。

どちらかというと、量子アニーリング方式と従来のコンピューティングを組み合わせた利用法が先に実践投入されそうな気がします。
というのも、人工知能もそうですが、画像を識別するだとか、どちらが最適なのかを判断するだけという仕事に利用が絞られたことで、世の中は人工知能であふれかえりました。

これと同じく、量子コンピューターに出来ることを絞って、運用することが普及に向けた第一歩だと思います。
グラフィック用のプロセッシングユニットであるGPUもそういった使われ方をしますよね。
だから、量子アニーリング方式と従来のコンピューティングの組み合わせに期待。

《現代は技術のカンブリア期》

ひと昔前なら、このような未知のハイテク(一般人にとって)は、皆に理解されないまま幾度となく現れては消えていくという感じでした。
10年経ったけど、全然完成しないじゃないか。。。みたいな。

しかし、コンピューティングが起こすイノベーションスピードは、日を追うごとに加速し、これら未知のハイテク10年後、私たちの手元に来る予定だったものが、昨今、5年や3年で次々と完成していく様を見ていると、夢を描くスピードと現実になるスピードが逆転していくかのような気さえします。

テクノロジーの爆発が起こる理由はおそらく、ネットワークコンピューティングにあって、インターネットでリンクされた世界が実現したことが原因だと思われます。

今まさに、多くのものや新しいサービスは、ネットワーク越しに利用できるようになり、皆が即座に行動を起こせる準備が整う環境です。
AWSなどを利用すれば、何の準備もなしに人工知能開発が始められますし、Googleが提供する数多くのライブラリやサービスを利用すれば、ノウハウや設備もまったく必要としません。

これに洩れず、すでに量子コンピューターもクラウドサービスとして利用可能で、今現在、多くの人が、何の準備も必要とせずに、量子コンピューターに触れ、様々な実験や研究を行っています。

要するに、センターに置いてある量子コンピューターにアクセスしてリモートで利用できる環境はすでに整っているという事です。
したがって、一般の人でも、量子コンピューターでなにか処理をしてみたいということが可能なんですね。

ちなみに、量子コンピューターを通常のコンピューターでシュミレーションして実験する環境も整っているので、更に研究は加速しています。

量子ゲート方式の量子コンピューターのプログラミングは、なんというか、楽譜に似ていて、複雑なロジックを組む通常のプログラミングとはまったく違います。
量子アニーリング方式に至っては、もはやコンピューターと呼べるかどうかも分かりません(笑)

汎用人工知能がすごく未来にある期待値だとすれば、汎用の量子コンピューターも同じく、すごく未来にある期待値であると思います。

しかし、機械学習による画像認識など、商用利用可能で、私たちの暮らしに直結する成果を出している人工知能の歩みを見る限り、量子コンピューターが近々何らかの形で、私たちの生活に大きな影響を与えることになるのは、間違いないでしょう。

読んで下さってありがとうございます。