見出し画像

おとな


 20歳。法的に大人として認められるこのライン、便利なようで厄介だ。

 子供から大人になるなんて、通過儀礼のようなものなら聞いたことはあるが、明確なチェックリストや試験があるわけでもないから判定のしようがない。
というかそんなものあるべきではないと思うのだが、この「大人」になったという作用がもたらすものが大きいと感じる。勘違いしたまま進んでいく人がいる事が気がかりなのだ。

 成人式という行事がある。毎回晴れ着姿を羨ましく思う事は多々あったが、毎回テレビで見るバイクや酒飲みというワードの印象がでかいもんだし、何しろ出席したからといって大人になるわけでもないので、私は行かなかった。
 その日は家でずっと本を読んでゴロゴロしていた。特に後悔もしていない。

 私は別に行かなかったから偉いというわけではなく、出たからって一人前になったというわけではないということを言いたいだけだ。

 大人であれば、酒が飲めて、煙草が吸えて、好き放題できるけれど、そんな事ばかりではないのだ。出来る事が増えるのは確かに嬉しいけれど。

 その歳を迎えたからには良識的なことも教養も自分自身で身につけていかなければならない。この前書いた選挙のことも同じ。護られていた子ども時代とはワケが違うのだ。

 自分の身は自分で護る。それが大人としての一つの条件だと私は思う。SNSで自分の素性がすぐにバレるようになった昨今。面白半分でしてみた事が海の向こうまで知れ渡って思わぬ身の破滅をもたらしたりする現代だ。

 子どもがそのような事態を起こせば、責任を取るのは大人である親。起こしたあなたが大人であればもちろん責任を取るのは自分だ。どちらにせよ周りを巻き込む。何をするにも「知らなかった」では済まされないのだ。

 自分が生きたいように生きる、誰にとっても一度は夢見る事だと思う。けれど、それもこれも全部「責任」というものの上に成り立っている事を知らなければならない。それを知らずに生きるってすごく危険な事だ。

 周りの声に気持ちよくなって、調子に乗ってやった事で起きてしまった事態は巻き戻せない。後始末は大変だ。

 欲した時に限って、もう色々なことを手取り足取り教えてくれる「先生」という存在はいないのだから。
 便利になった時代だからこそ、私も頭でよく考えたい。だって大人になったのだから。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

1
フリーランスのイラストレーター。 「彩りで日常彩る」がコンセプト。 HSS型HSPのXジェンダーです。 エッセイイラスト「つらつら」更新中。 イラスト、文章、ダンス、音楽など様々な表現が好き。 ホームページhttp://www.ichio.info/
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。