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伝説

 小さな頃から絵本を読むのが好きだった。親が大量に買ってくれた絵本をかたっぱしから音読している5歳ごろの自分の様子が昔のホームビデオに収められているのを大人になってから見返したけど、昔から架空の世界に浸る事をとても楽しめる子供だった。

 ごっこ遊びもしょっちゅうしていたし、Mステごっこと称してミュージックステーションの階段を降りる場面やアーティストの衣装や歌い方も真似をするのが好きだった。劇やアニメ映画のものまねもよくしていた。ポケモンごっことか、どう森ごっことか暇さえあれば近所のことそういう事ばっかりしていた。

 そんな事をしているうちに自分から架空を作り出すことがいつの間にか楽しくなっていた。色んな本に出てくる伝説や幻想を読んでいるうちに、自分の頭の中でも勝手に生き物や場所が生まれてくるようになっていた。ゲームもいつだって伝説や幻に出くわした時は背筋がゾクゾクした。

 小学校三年生の頃だろうか。自分で物語を作ってみようという国語の授業での取り組みがあった。確か宿題になったのだけれど、私はその時とても興奮していたのだと思う。
 頭の中で勝手に作り出した存在しない島。その島をある兄弟が探検するという設定で島のマップや言い伝えまで考えて原稿用紙20枚以上書き連ねていたのを思い出した。

 その時からずっと創り出すという事に楽しさを覚え続けている。キャラクターも370体以上いて、実は彼ら彼女らが住むマップもこっそり出来上がっている。だからこのエッセイを書き終えた頃にまた新しいことが出来ればいいなと思っているのだが。

 少し話は脱線したが、そんなわけで私は言い伝えや伝説を知るのが好きで、小学校の頃はよくそういう話を大量に読んでいた。
 
 日本だったら妖怪とか怪現象みたいなそういうじめっとした薄気味悪いものが好きだったし、ギリシャ神話は日本にはないような物語が多くてちょっとコメディと思えるような面白さも感じたり。地球平面説なんか今なら誰も信じないけれど亀と象が地球を支えているイラストを見たら何だかゾクゾクした。

 各国の話それぞれに色んな味があって心が躍った。技術が発達していないからこそ謎めいたものに生まれる余白に好き勝手に人々が創り出す話が面白かった。

 きっとその真似事をしたくて自分も架空の世界を頭の中に作り出したに違いない。決まり事で自由なんか入れ込む隙間もないような現実での毎日にうんざりしていたから、きっとそういう事に逃避していたのだと思う。そうやって自分を守っていたのだと思う。

 だから今もこっそり誰にも壊されないもう一つの、誰も知らない伝説や空想の物語を作り出したりしてその世界で自由に遊べることを楽しんでいる。

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様々な表現が好きなイラストレーターです。 HP→http://www.ichio.info/ stand.fmラジオ「iCHiOの寝落ちするまでおしゃべりナイト」https://stand.fm/episodes/5f5651d018e9099b6c3d032a
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