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夜桜

誰のために咲いたと問えば
ただ、そこに落ちただけと答え
深窓の闇に輝く銀色の月
涙を乾かす風が吹く

在り来たりな優しさに 
絡みつく下心が身体を縛る
無駄に散る感情の先には
違った世界線が笑う

曖昧な正解 曖昧な現実
尖った先端が喉に突き刺さる
呼吸も出来ない 霞む視界の先に
舞い散る花弁と揺れていた

夜を濡らして 花を燃やすように 熱い衝動で
無理やりに触れた 心の扉を壊して
誰に焦がれて 誰を信じたって 最後は失う
深い闇に添える色 儚くも美しく
刹那に散る 夜桜



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