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「リリーフで負けない」(8月23日〜25日/広島vs阪神○●○)

(写真は8/2のもの)


8月23日 広島vs阪神(マツダスタジアム) 1-3/○


 昼休み、甲子園の決勝を見てみると、ちょうど延長戦で京都国際が2点先制、関東第一もタイブレークからのノーアウト満塁のチャンスだった。最後を投げていた京都国際の西村一毅投手の強気な投げっぷりが印象に残る。

 阪神の今日の先発は先日の京セラドームで鮮烈な復帰登板を果たした髙橋遥人投手。負けられない、最低でも勝ち越さなければというタイミングでの広島戦への抜擢だ。
 こういう時のために移動中も動画が見れるスマホ回線に切り替えてよかったなと思いながら、中継を追いつつ帰宅。

 1回の表、森下選手のスリーベースヒットからの佐藤輝明選手のタイムリースリーベースで1点先制。
 髙橋遥人投手は1回の裏、小園選手にヒットを打たれるも4番末包選手を空振り三振に打ち取り上々の立ち上がり。
 4回表、21日に昇格した小野寺選手のスリベースが木浪選手のゴロで1点につながり0-2。
 5回表は近本選手のヒットからの中野選手バント、森下選手は空振り三振に倒れるも、2アウト2塁で佐藤輝明選手がライト方向へのタイムリーを打ち0-3。

 そして髙橋遥人投手は5回の裏も三者凡退に抑える。この時点でまだ69球。6回裏も三者凡退に抑えて77。
 まだ安全第一なので100球未満でおりるだろうということはわかっていた。でもつい、もっと見ていたくなってしまう。角度のあるキレのよい球が魔法みたいにミットに吸い込まれていくのを。

 しかし7回裏、先頭の小園選手の打球がグラブを掠め、内野安打に。続く末包選手もヒット、さらに坂倉選手も大山選手のファンブルによって出塁してノーアウト満塁のピンチがやってきたところで、ついにピッチャー交代が告げられた。

 先発投手にはもちろん「これは自分のゲームだ」という思いもあるんだと思う。けれどここからは球数を使ってじっくり勝負することが求められる場面だ。
 そうしてマウンドにあがったのは石井投手。わずか1失点でこのピンチを切り抜けて見せた。この半年で、マウンドでの振る舞いや表情にも貫禄を感じるようになった。
 その姿をベンチから見ていた髙橋遥人投手の表情も、先輩ながら、どこか憧れが入り混じるようなものに感じたのだけど、実際に試合後の映像をみたら2人でお互いを褒めあっていて、素敵だなあと思った。そんなふうに、ライバル心や憧れが入り混じって一つの目標に向かって走るのがチームなのだろう。

 8回裏、ゲラ投手が復帰後の無失点記録を1イニング追加する。

 そうして9回裏、マウンドには岩崎投手があがった。
 8月末の、現在1位の広島と3位につけている阪神の直接対決はどちらも絶対に落としたくない一戦だ。
 打者と対峙する岩崎選手の背後に真っ赤にそまったスタンドが見える。
 まるで全部を背負って立ちはだかるようなその瞬間がいつもとてもかっこよくて息を飲む。

 2アウトをとったところで3番手の坂倉選手に6球目でヒットを打たれる。続く菊池選手も出塁して2アウト2、3塁。3塁には代走もでる。ピンチを作ったけれど、最後の矢野選手を3球で打ち取り、1-3で試合終了となった。
 岩崎選手はこれが通算492試合目の登板かつ通算85セーブ目。いろんな記録が視野に入ってきた。

阪神:髙橋/石井、ゲラ、岩崎-梅野
広島:玉村/コルニエル、松本-石原


8月24日 広島vs阪神(マツダスタジアム) 2-1/●


 昼は約ひと月ぶりに妹の家に遊びに行った。
 昨年の10月に生まれた甥っ子は、すでにはいはいも捕まり立ちもできるようになっていて、表情も格段に豊かになっている。生まれたのはちょうど、阪神タイガースがリーグ優勝してCSが始まるかどうかという頃だった。

 帰宅して、夕食を作りながら試合を身始める。今日の先発は5月以来の一軍復帰となる門別投手。
 対する広島の先発、大瀬良投手はこの日調子が良さそうだなと感じる立ち上がりで、先に点をとられたくないなと感じる展開だった。
 しかし3回裏、2番手秋山選手のヒットからじりじりとピンチに追い込まれ、暴投が絡んだ進塁もあり一気に2失点。

 6回表、2アウト1、2塁のチャンスをつくり1点を返して2-1
 7回表、先頭大山選手が出塁し、2番手前川選手がデッドボールを受けてしまう場面があった。先日、練習中に腰の不調を訴えたとのことでしばらくスタメンを外れていた前川選手はちょうど今日からスタメンに復帰していたのだ。今日は足の脛あたりに打球が当たったように見えた。
 何事もないことを祈りつつ、代走がでて試合は続く。
 ノーアウト1、2塁となった場面、木浪選手がバントを試みるも失敗。この回は得点につなげることができなかった。そうして2-1で試合は終了。

 勢いを掴みかけた気配はあったので悔しい敗戦だけれど、今1位の広島打線を相手に、結果的には2失点で凌いだ門別投手の次も楽しみだし、先日久しぶりの失点があった桐敷投手も今日の出番では無事に抑えている。
 良かったこともある敗戦だったように感じた。

阪神:門別/伊藤将、岡留、桐敷-坂本、梅野
広島:大瀬良/森浦、島内、ハーン、栗林-會澤



8月25日 広島vs阪神(マツダスタジアム) 5-7/○


 家事を片付けた後、近所の映画館で「ラストマイル」を見る。面白く見たので、見終わった後、遅めの昼食を食べながら友人にLINEで感想を報告したりする。
 17時半頃に帰宅して、洗濯物を取り込み食事を作りながら試合を見始める。2024年はずっとこんな感じだったけれど来年はどうなっているのだろうか。

 1回裏、2番野間選手にヒットを打たれ、小園選手が続き、最終的に2アウト満塁のピンチで2点先制され2-0。
 これはちょっとピンチかも……と思いながら見ていたけれど、先発大竹投手は2回から徐々に調子を上げていく。大竹投手はまだ、マツダスタジアムで負けたことがない。
 勢いづけたのは3回表、2アウトから近本選手、中野選手と続けて出塁し、2アウト1、2塁で森下選手が放ったホームランだった。
 今年の初勝利も思えば森下選手の3ランで先制したのだった。
 そして佐藤輝明選手がヒットを打ち、大山選手がタイムリーを打つ。この回なんと4得点で2-4。一気に流れを引き寄せた。

 4回裏、坂本捕手が四球を選び、木浪選手がバントの構えをとる。昨日の7回、痛いバント失敗があったけれど、こうしてすぐに挽回のチャンスを(そういう場面があったからだとは思うけれど)用意するのは岡田監督のスタイルなのだなと思う。そして今夜の送りバントは見事に決まって進塁、続く大竹投手もゴロでランナーを送り2アウト3塁の形が出来上がり次の打席は1番、近本選手。昨年は得点圏の鬼という異名もついていた近本選手だ。今年は不調の時期もあったとは思うけれど、今夜は「もちろん」といった様子でタイムリーを打って2-5とした。

 7回表、先頭は大竹投手の代打で出た渡邊選手がヒットで出塁。中野選手ヒット、森下選手が四球を選び、満塁。佐藤輝明選手は空振り三振にたおれるも、大山選手がタイムリーをいうち2-7とさらに点差を広げた。

 そして7回裏は石井投手がでた。桐敷投手と石井投手は左右の切り札として今年はフル回転の活躍をしている。監督も、ファンも全幅の信頼をおいている投手だ。
 しかし今日は先頭、矢野選手の場面で1塁大山選手が珍しく後逸し出塁を許すと、2番手もヒット、そして3番手の堂林選手にタイムリーを打たれ3-7と久しぶりの失点(自責0)。そしてまだノーアウト1、2塁という場面でピッチャーは桐敷投手にスイッチ。さらに2失点があるものの、リードは保ち、5-7でこのイニングを終えた。
 石井投手・桐敷投手が崩れるのは珍しい。しかし誰も責める人はいないと思った。今年はこの2人がいなければ、きっと今この位置にはいない。

 8回裏はゲラ投手がマウンドにあがる。先頭、坂倉選手に出塁を許すも2番手菊池選手を時間を使って、牽制球も織り交ぜながら見逃し三振に抑える。3番手矢野選手が出塁して1アウト1、2塁のピンチとなるも、そこから残り2つのアウトをとって2点差を守る。

 広島も磐石のリリーフ陣の継投で終盤に追加点を入れることは難しくなっている中での9回裏。

 一昨日に続いて、岩崎投手がマウンドにあがった。
 自分は阪神を応援するようになったきっかけが岩崎選手なのでどうしても色々と思い入れてしまうのだけど、
 球速のあるタイプの投手ではないし、本来は抑えよりもセットアッパー向きの投手なのだと書かれているのをよく見るし、今年は抑えることができなかった試合もある。
 それでも、ちゃんとコンディションを整えて戻ってきてくれる投手だということには信頼があるし、何より人のためにという場面で力を発揮する投手でもあるのを知っている。

 1球目のストレートから、今日はギアを踏み込んでいるのを感じた。こういう日の岩崎投手のマウンドは9回の喧騒の中でもすごく静かに感じる。
先頭、秋山選手を4球で空振り三振に。2番手の野間選手は3球でゴロアウト。そして3番手小園選手も3球でゴロアウトに仕留めて試合終了。すべてストライク先行だった。

「リリーフで負けない」

岩崎投手が今年の目標として掲げている言葉を思い出すような試合だった。
岩崎投手はこれで今シーズン20セーブ目、3年連続の20セーブ、4年連続の50試合登板を記録した。

阪神:大竹/石井、桐敷、ゲラ、岩崎-坂本、梅野
広島:森/松本、黒原、塹江、森浦、ハーン-石原

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