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ギブアンドテイク/一日一微発見090

ずっと前だが、ニューヨークでエイズの感染者たちに、毎日毎日インタビューして回ったことがあった。

彼らは日々免疫が落ちていくのだが、ひとに話をしたり、笑ったりするとその低下が抑えられるのだという。
彼らは施設にやってきて、身の上の話を 僕にする。
その当時は、エイズの決定的な薬はまだなく、残酷にも10年内に死ぬことが宿命付けられていた。

僕は彼らの「最期の言葉」を聞き取る役のようだった。

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編集者・アートプロデューサー・京都造形芸術大学教授/後藤繁雄です。 アートや編集のこと、思考、アイデア、日々起きていることなどをその都度書いていきます。 ここでの文章はハウトゥにはならないと思いますが、知性や感性を刺激したい人に読んでもらったらいいかなと思います。 僕は、人は、大きな出会いがやってきて変わるというより、微妙なものに気がついてだんだん変わることのほうが「可能性」が高いと思う。「微発見」。 それには、訓練が必要で、この「一日一微発見」も、僕の訓練法のひとつです。

「一日一微発見」というのは、僕が師匠だと思っている文化人類学者、故・岩田慶治が日々やっていたこと。 僕はそこからヒントをもらって、もう15…

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