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アート思考で生きるコツ エリック・サティを聴きながら/一日一微発見185

コロナ禍が拡大したときに僕が直感的に思ったのは、「みんなアーティストになっちゃえばいいのに」ということだった。それはあまりに唐突だし、無責任な発言に聞こえるだろう。

沢山の命が失われて、また、社会は機能停止して、多くの職が失われているからだ。まずはマスクとソーシャルディスタンス。
だから僕の直感は、あまりに浮世離れ。
それはわかっている。
にもかかわらず、相変わらずその声は僕の頭の中で鳴っている。
長引くコロナは、ノーマルへの回帰にしがみつく人々に対し、無情に世界をシフトさせていく。
ゆっくりとだが、しかし人々に大きな決断をせまることになる。

そのことを僕なりに言えば、「アーティストになっちゃえばいい」という、無責任に見える宣言なのである。

しかし、このコトバのうらには、快楽主義、パーソナル、インディビデュアル、アナキズム、ロジカルからの逸脱、そして人生とアートを同等とする
「アールドヴィーヴル」への道を選ぼうという事も含んでいることは重要だ。
オーバーに言えば近現代を作ってきた「価値観」の否定だ。

アート思考のコアは、本当は、ここにある。

コロナは、近現代が構築してきた経済至上主義のしくみに、地球レベルで、大きなNOを突きつけたのだ。
自由主義も共産主義も関係なく、経済より人命を人間に迫っている。
もっと言えば、静かに、自分がどう生きるのかの内省を、1人1人に迫っている。

とりわけ日本は、経済ではゼロ成長の成熟社会。隙間も未開地もない。
にもかかわらずまた、右上がりが復活できるというアベノミクスの詐術を行って幻想を振りまいてきた。
しかし、コロナでまやかしはすっかり消えてしまうだろう(日本だけでなく、アメリカもEUも)。

アート思考は、「アールドヴィーヴル」の核だが、ある意味で柔らかいし、同時に破壊的だ。

離れていると暖かいが、近寄ると焼け死ぬ炎や太陽のようなものだ、と僕はよく言う。

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編集者・アートプロデューサー・京都造形芸術大学教授/後藤繁雄です。 アートや編集のこと、思考、アイデア、日々起きていることなどをその都度書いていきます。 ここでの文章はハウトゥにはならないと思いますが、知性や感性を刺激したい人に読んでもらったらいいかなと思います。 僕は、人は、大きな出会いがやってきて変わるというより、微妙なものに気がついてだんだん変わることのほうが「可能性」が高いと思う。「微発見」。 それには、訓練が必要で、この「一日一微発見」も、僕の訓練法のひとつです。

「一日一微発見」というのは、僕が師匠だと思っている文化人類学者、故・岩田慶治が日々やっていたこと。 僕はそこからヒントをもらって、もう15…

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アート思考で生きるコツ エリック・サティを聴きながら/一日一微発見185

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浜松と京都、東京の3拠点で暮らしながらアートプロデュース、編集、大学教授などをやっています。新刊 「超写真論 篠山紀信写真力の秘密」(小学館)「現代写真アート原論」(フィルムアート社)など発売中です。「自己編集(リエディット)」のためのスーパースクールも開講中。