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20年で、世界は変わる。 -クルマが空を飛び、女性が取締役になる日-

私が新卒で就職した自動車メーカーS社に、
高橋尚子さんが社外取締役として就任することが決定したそうです。

調べてみたところ、S社の女性取締役は高橋尚子さんが初ではなく
2020年に就任した方が、社内・社外含め初の女性取締役だったとのこと。
そうか、あの会社も、3年前にそんな時代を迎えていたのか・・・
と思うと、
感慨深いと同時に、「勝った・・・!」という気分になる。

一体、何が「勝った」なのかと言いますとですね。

私が就職した2001年当時は、
(S社に限らず、メーカー全体、いや、もしかしたら
日本全体がそうだったのかもしれないけど)
働くということにおいて、男尊女卑がふつーにまかり通っていた時代 でした。
就職活動でエントリーシートを提出したら
「あー、ウチはね、女子は総合職で採らないんだ。一般職で受けなおしてー」
と、まるでこの世の常識であるかのように告げられた時代。
結果として、同期入社の女子たち@みんな一般職は、
きらびやかな経歴の高学歴女子だらけだったな・・・。

さて、そんなS社に入社して半月ぐらい経った頃。
新入社員研修の一環で、チームビルディング研修をすることになった。
チームメンバーは、私と、同期の女子1名と、
あとは技術職の男子が4名ほどだったように思う。
お題は「30年後のS社を想像してみよう」
チーム内でディスカッションして、10分ぐらい後に、
「チームごとに、30年後のS社の姿(想像)を発表」
するというルールだった。

ディスカッションタイムが始まっても
口火を切ろうとしない男子たちとは対照的に
私と同期の女子は早速
・30年後・・・って、50代前半か~!
・意外とあっという間なのかなー?
・でも、なんかすごい先な気もするけどねー!?
と、雑談をスタート。

女子「30年後だと、車も空飛んでたりするのかなー?!」
私「あー、いいねそれ!未来感あるー!!」

と盛り上がった途端

男子「あーーーwww。無理だね。そもそもクルマってのは
 空を飛ぶような構造にはなってないんだよwww」

・・・それまで一言も発しなかったくせに、
急に上から目線でディスってきやがった、技術系男子。
人を小馬鹿にしたような彼(ら)の態度が気になったが
それでもなんとか無事に、グループとしての意見がまとまった。
そして、どういう経緯だったか忘れたが、私が発表することになった。

なので私はこう発表した。
私「私たちの班では、ディスカッションの結果、
 (男子たちの意見①)(男子たちの意見②)
 という意見が出ました!
 そして、
 30年後にはクルマが空を飛んでいて、当社もそこに関わっているのでは??という意見も出ました。
 あと、30年後には、女性管理職がもっと増えているといいと思います!」

そうしたら例の技術系男子(たち)が最後の一文に反応して
「はっ??www」と、鼻で嗤いやがった。
(・・・こいつら、始めから終わりまで馬鹿にしやがって。
 いつか見てろよ?!)
20数年経っても滅することのない怨念が
私の心の中に根付いた瞬間でもあった。


そして、どうよ。
あれからちょうど20年 経った 2021年
東北大が、空飛ぶクルマの実現に向けた
世界初の実証実験を実施。
「空飛ぶクルマ」は、早ければなんと今年から
実用化に動き出す国や地域も出てくるという。
また、その1年前である2020年には、S社初の女性取締役が就任。
しかも、かつての同僚から、
ウチもここ数年で管理職の女性増えたよー、と聞いている。

「30年後」どころの騒ぎじゃなくて、
20年ですよ、20年。
そもそも空を飛ぶような構造にはなっていなかったはずのクルマが空を飛ぶ時代が幕を開けようとしているし
2001年には10%未満だった女性管理職(係長級以上)の割合は、2021年には18.8%に増えてる。

20年で、世界は変わる。
変わり続ける世界が、少しでもよい方向に転がって行くように
私も精一杯足掻いてみようと思います。

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