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透明なガラス玉があるとして  #みんなでポエム書いてみた


たとえば 透明なガラス玉があるとして

君はそれを木綿のハンカチーフで包む
大事に持ち帰って 甘やかな台座に置く
毎日触れて 愛して 共に暮らすだろう


たとえば 透明なガラス玉があるとして

僕はそれを粉々に握り潰す
足で踏みにじって 欠片も残さず捨てる
毎日触れて 愛して 共に暮らしたものでも


たとえば 透明なガラス玉があるとして

どうしてこうも違うのだろう
君の部屋にはたくさんのガラス玉
光を反射して君と遊ぶのに
僕の部屋には僕がひとりきり
滑稽な踊りで床を這うだけ


たとえば 透明なガラス玉があるとして

どうしてこうも違うのだろう
僕の部屋には僕ひとりきり
だけど声が聞こえる 恨み辛みの声が聞こえる
耐えきれなくなって 飛び出した


たったひとりの 欠片への懺悔の旅

たったひとりの 欠片への後悔の旅


欠片たちよ 返事なんてしなくていい
ただ暖かい場所にいて

欠片たちよ 返事なんてしなくていい
ただ優しい場所にいて


僕はそれを見ながら旅をする
戻ってきて なんて言わないから


欠片たちよ 返事なんてしなくていい
ただ温もりに触れていて

欠片たちよ 返事なんてしなくていい
ただ優しさに触れていて


僕はそれを見ながら旅をする
愛してたよ なんて言わないから



たとえば 透明なガラス玉があるとして

それが僕の愛として







***





こちらの企画に参加しています*



ポエムって、そうですね。

人に見られたら困るってイメージが強いかもしれません。

もちろん「さむっ」って一蹴されるのも怖いけど、どんな言葉を使ってどんな表現を使うかの個性が露骨に出るから、自分の外見と中身をぐるんとひっくり返して見せているような感じがしています。

そんなん、怖いに決まっている。

だけどそんなん、楽しいに決まってますよね。

楽しかったです、企画してくださっただいすーけさんに感謝*







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