見出し画像

お義母さんはADHD 4

4.想定するということ

廊下にぼたぼたと水が落ちている。
よく我が家で起こる現象だ。といっても怪談ではない。
それは、洗面台のところから、タオルの置いてある場所まで続いている・・・

犯人はお義母さんだ。
お義母さんは、顔を洗うときにタオルを用意するということができない。顔を洗うとタオルが必要になるということが想定できいないようである。
なので、顔を洗った後、ぼたぼたと大量の水をこぼしながら、タオルのある場所まで行く。顔を拭くとそのことは忘れるようで、水はそのまま。だから我が家ではよく廊下にぼたぼた水が落ちているのである。
そのままでは汚いし危ないので、私が拭いておく。
ところが最近、それが少なくなった。
どうやら洗面台の近くにあるティッシュを使って顔を拭いているようだ。ちょっとティッシュがもったいない気もするが・・・
タオル入れを買って洗面台の近くにも置いておくと良いとは思うが、私がそれをすると当てつけのようになってしまうのではないかと思い、できずにいる。

「こういうことがあるかも」という想定も苦手なようだ。
なので、「○○まで車で何分かかる」が、まるでお店の宣伝のように極端に短時間だ。それって直線距離なんじゃない?と思うほどに。
あの店に7時ね、と言っていても、全然来ない。私たちの想定で40分のところを20分くらいだと思っていたそうだ。
途中で渋滞になるかも、とか、信号が赤になるかも、とか、今日は車がちょっと多いかも、というようなことが全く考えられないようである。
さらに言うと、5分前にはついておいた方がいいな、とかそういうこともわからない。
だから待ち合わせなどにはとにかく遅れる。
家に誰かお友達が迎えに来られる時でも、いつもギリギリなので、お友達が待っている中「あらごめーん」と言いながら準備をしている。
これで一番困るのが飛行機だ。飛行機に乗る時は搭乗手続きなどもあるのでかなり早く家を出るなければならない。私なら50分前。しかしお義母さんは違う。30分前でいいという。
それでは間に合いませんよ、というのだが、そんなに早くついてもあそこは何もすることがない、つまらない。といって聞かなかった。
結局40分前に出させたのだが、思った通りギリギリで、名前を呼ばれての搭乗となったらしい。

そんなことがあっても、そこから学ぶことはなく、また同じことを繰り返す。そして、こだわりも強いので、人の意見は聞かず、またギリギリになったり遅刻したりする。

私は個人的に早めに行動したいタイプなので、この義母のギリギリ時間設定には驚くばかりだったが、ADHDの特性として「道が混んでいるかも」とか「赤信号ばかりかも」といった想像や想定が出来ないと知って納得した。
時間の逆算も苦手だそうで、遅刻をよくしていたというADHDの方の話も聞いたことがある。
しかしこれもお義母さん本人は特に困らないようなので(待たされている人が困っているだろうけれど)、どうにかしようという気もないようだ。
いつも迎えに来ては待っていてくださるお義母さんのお友達には申し訳なく思う。

本人が困っていない。どうにかしたいと思っていない。
周りの人だけが困っている。
しかも義父や夫は「仕方がない」で終わらせている。
そういう状況で、困っている嫁の私はどうしたらよいのか。

中学生の長女はすでにお義母さんに対してあきらめの気持ちで接している。小学校高学年の長男は反抗期もあり、お義母さんの配慮が全く出来ない態度などが許せないようでいつも腹を立てている。
そして夫はそんな長男を「年寄りは尊敬するものだ。優しくしなさい」と言って怒る。果たして義母は長男にとって尊敬できる人物なのだろうか?と思うのだが、その辺りは夫には全く通じない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?