ミステリーVol.2『おまる殺人事件』

「凶器はおまるです」
刑事が言った。

このミステリーを解き明かしていただきたい次第なのです。

おまるが凶器で死んだというのだ。
被害者はバービー人形。元々、動かないのだが、手に持って遊んでいる人が「これ、死んだ」と言えば死んでいるであるからにして、ここに殺人事件が発生したのである。

現場はとある保育園。

容疑者は以下の６人。

ミランダ車（みらんだ　しゃ）…
英名：ミランダ・カー。保育園の先生。美容エステ師への転職を考えている。軽自動車に対抗心を燃やしていて一回で660cc以上の屁をしようとする上品なレディ。足でこぐ車に乗って園児の前に登場する。
　　

伊藤無断欠勤（いとう　むだんけっきん）…
市役所に出生届けを提出しに行った父をずっと恨んでいる。任侠映画が好きで極道の世界に憧れ、「おれは極道になる」と一喜一憂し会社を辞めた。しかし、極道と学童を間違え、学童保育に入ってしまう。先生の事を組長と呼び、積み木やブロックを好む。所属はさくら３組。特技はお遊戯。

残念な仕上がり（ざんねんな　しあがり）…
母によくそう言われるのでその名に改名した。本名不明。中学の時に全国義務のIQテストで高値を出し期待され二年連続同じ担任にお世話になるが、高校受験前にぬりえとかおもちゃで遊んでばかりいて失望される。noteもやっている。社会人として非常に残念に仕上がった人。
ミニカーやお菓子を好み、お尻に花火を突っ込んだりする。

米村傳治郎（よねむら　でんじろう）…
日本のサイエンスプロデューサーで、サイエンスショーの企画、演出、書籍の監修、テレビ番組の出演や監修、実験装置の開発などを手がける。元都立高校の物理教師でもある。非常に爆発を好む。失敗を装った爆発には心から爆笑する。

CPM４G268（しーぴーえむふぉー　じーにーろくはち）…
非常に高性能のロボット。微分積分の参考書を見せると頭から煙を出したり、非常に人間の望む事を理解している。
ビジュアルは、機械剥き出しの冷蔵庫のような長方形を成している。喋りもするし動きもするが、主な使われ方は脚立の代わりと照明の代わり。なお、夕方５時以降は次の日の朝９時までは動かない。以前は夜８時まで動いていたが働き方改革がなんとかで、そうなった。なぜか保育園の先生たちのタイムカードのとこにその名前がある。

ジャクソン５（じゃくそん　ふぁいぶ）…
ジャクソン兄弟による５人組のグループ。リーダーが「おれたちは５人で１人だ」、と主張するので１人で換算。
「ABC！」と話しかけると、綺麗な声で「ABC！おおお～ワントゥスリー」と返してくれるので、これは無料で体験できるものではないな、とかなり得した気分になる。

以上の６人が容疑者だ。

犯行時刻にはすべての人が教室にいた。
各々のアリバイ証言は次の通り。

ミランダ車
「日本相撲協会宛に手紙を書いていました。軽自動車に乗って力士が土俵に上がるのを許可してほしいと」

伊藤無断欠勤
「ブロックでおうちを作っていました。最近なんだか根本的な間違いを犯している気がしてならないんです」

残念な仕上がり
「お弁当代をすべて甘いお菓子に代えてしまったんで積み木を舐めてました。木材だから安全って書いてあったもので」

米村傳治郎
「スマホで液体窒素を業者に頼んでました。煙と爆発はわたしの生き甲斐です」

CPM４G268
「中で水飲んでたよ。それにしても大丈夫か、この保育園。時給が貰えればそれでいいけど」

ジャクソン５
「ABC、イージアス、ワントゥスリー、してたよ」

上記の証言が嘘の人が犯人である。

誰がバービー人形を殺したのか。
犯人はVol.3にて。

（Vol.1の解答はコメント欄にて）