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産みの苦しみと、故に起きた事件簿(大熊)

山あれば谷あり。
現在わたくしめはちょっと躓いております。
脚本を書いては消し、書いては消しを繰り返し、何だか足踏みしてるみたいで焦燥感が募るこの頃です。
なにかしら小さなブレイクスルーがあれば、そこから色々進むと思うのですが、なかなかそれが出来ずにおります。
まぁ正直言って苦しいです。
創作ノートなのでその辺りの赤裸々に書きますが、産みの苦しみ真っ最中です。
面白い形が靄がかって見えてるのですが、そこに届くにはどうすればいいのか、閃きがまだありません。
大きなアイデアは沢山あってそれらを上手く構成すれば良いのですが、それらを上手く料理してフルコース化するためには、小さい閃きと小さなブレイクスルーの連続を繰り返さねばならず、その繰り返す作業が本当に苦しいわけです。
それらを16年続けてきました。
なのでまぁ慣れそうなもんですが、毎回その時の120%、つまりは自分の理想のちょっと上を目指すので苦しいわけです。
今回も御多分に漏れず、今できる最高の作品を目指して苦しみ続けます。
どうかこの成果を、『トモダチガーデン』見に来てください。

ところで急に話は変わりますが、
先日のクリエイション中に、
今回のキャラクター名について
議論がなされました。
いつもわたくしめは
演じる俳優の名前を
文字った役名にするのですが、
今作『トモダチガーデン』も
同じシステムで命名しています。
その中で今回の
北脇が演ずる『キキト』。
キキトは犬っぽいトモダチ
という役なのですが、
どうにも『キキト』という響きが
ちょっと格好良すぎるなぁと
当時は感じていて、
今はもう『キキト』で何の不満も
無いのですが、
その日はもっと他に良い役名はないか?
と議論になったのでした。
北脇のフルネームは
キタワキユウト
これをアナグラムしてつくりたい。
そこで様々な案が出ました。
ワキキ、
キキタ、
キキキ、
ワキタ、
なんでも思いつくままに
みんな脳で精査せずに
口にしていきました。
疲れていました。
この時点でかなり脳ミソ使って
クリエイションしていたので、
みんな疲れていました。
尚且つ苦しんでいました。
みんなが産みの苦しみを味わい、
疲弊していました。
そしてわたくしめが、
また軽々しく思いついた
役名を言いました。

大熊「キートン。」

その響きが面白かったのか、
場が少し笑いに包まれました。
中でも鍬田は大笑いしていて、
こう言いました。

鍬田「キートン博士じゃないですか!」

鍬田のツッコミが炸裂します。
するとそれを聞いた北脇が
そのツッコミに大受けし

北脇「キートン博士!ぶははは!」

と大笑いしだしました。
二人は尚も盛り上がり、

北脇「ほな俺、爆発してアフロならなあかんやん!」
鍬田「ほんまやな!キートン博士や!」

と爆笑しています。
他の面々は
キートン博士というのが
どなたなのかピンときておらず、
いまいち二人の笑いについていけません。
北脇の「爆発してアフロ」という発言から、
コミック的なキャラクターと
察せられるものの、
キートンと言えば、
バスター、山田、マスター、
辺りしか思い浮かびません。
尻目に爆笑する二人。
少し落ち着いたところで、
聞いてみました。

大熊「その、キートン博士って誰なん?」

二人がここまで盛り上がるなんて
さぞおもしろキャラなのか?
みんな興味深く聞きました。
すると北脇がこう言いました。



北脇「え、知らないです。」



「え、知らないです。」


!!??

大熊「え、知らんの?」
北脇「そういう博士がいるんじゃないんですか知らんけど。」


なん…だと…
知らない…だと…?
聞いたことない博士で
あれだけ笑っていた…だと…?

北脇「鍬ちゃんが言うんでそういうキャラがおるんかなぁって。」
大熊「え、鍬ちゃん、は、キートン博士知ってて笑ってたんやんな?」
鍬田「え、えぇ…っと…」


すると鍬田はスマホを
ポチポチし始めました。
おそらくキートン博士について
検索しているものと思われます。
そして検索し終えた鍬田が
こう言いました。



鍬田「キートン博士っていないですね!」



「キートン博士っていないですね」


!!??


鍬田「検索しても出てこないですねキートン博士!」


!!!???

なん…だと…
つまり二人は…
存在しない…
架空のキャラで…
あそこまで…
爆笑していた…
だと…???

我々は慄き、
戦慄しました。
これが産みの苦しみかと。

苦しみは存在しないキャラクターについて
爆発してアフロがどうのこうのまで言わせるのかと。

そして最後に鍬田は
思いついたように言いました。

鍬田「うわ!トモダチガーデンすね!イマジナリーキートンすね!」

上手いこと言った風の鍬田に

「ほんまや!!」

と喜び笑っていたのも北脇でした。

こんな産みの苦しみを
座組全体で味わっている
劇団壱劇屋
『トモダチガーデン』
ぜひ…
お越しください…
(あとキートン博士が
本当に存在しないのか
情報ありましたら
教えてください…)

↓公演情報はコチラ


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