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何のためにあるの?SDGsって。共通言語としての価値。

わかりづらい。SDGsといわれて、「はいはい、SDGsね。」となる人は日本において5%未満の人口なのではないでしょうか。

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が2015年9月に国連にMDGsの後進として発表されてから、その認知向上、金融商品への活用や社会起業家の共通言語としての活用のために、全国でSDGsに関して話させていただく機会を沢山いただきました。そのうえで、SDGsに関して感じること、その存在意義、同時に不足していると感じる観点に関して、少し書かせていただきます。

これを読まれている方は、「自分の住む地域をもっとよくするために、自分の家族の為に、あんなことも、こんなことも、地域でできれば。いや、できれば以上に、求められていてどうにかして実現されなければ地域が大変な状況に陥る」と感じられたことはないでしょうか?そして、その考えが虚しくも、必要とされる手続きや自分が変えられない何かしらが要因で、どうにもならない経験をされたことはないでしょうか?

私が感じるに、SDGsの本来の役割は、そのどうしようもないとみんなが感じている課題の解決(些細な問題から国家レベルの問題)に向けて、求められる行政、民間、ソーシャルそれぞれのセクターが力を合わせて協力し合えるための、共通言語として存在しているのです。

SDGsには17の大枠のゴールがあり、その下に具体的に169個の詳細ターゲットが存在します。その中には、日本のような先進国の課題には該当しない項目も存在します。とはいえ、元々途上国支援の精神を持っていたMDGsとは異なり、先進国並びに民間セクターも介入する前提で作られたSDGsは、2030年までに世界が持続可能になるため(例えば、世界の貧困が完全に撲滅するため)に必要となるアクションについて、ゴールとターゲットを設定しています。このような内容を取りまとめ、国連が世界に対して発信したことは、前代未聞で、如何に世界の社会課題が危機感を以て取り組まなければならないことかに対して警鐘を鳴らしている重要なことだと感じています。

実際に、2015年までの目標だったMDGs(ミレニアム開発目標)の後継として、準備されたSDGsは国連が世界中の政府機関だけでなく、民間企業、市民社会、研究者をはじめとした多様なステークホルダー1000万人以上に3年間の時間と議論を通じて作成に挑んだ、社会全体の持続可能性を追求する未来予想図です。

但し、問題はそのSDGsがあまりにも大きい課題を対象としていて遠い存在で、一人一人の個人が自分の生活レベルに落とし込むには、数段階の翻訳が求められることです。私が昔勤務していた新潟の工場や、SDGsについて講義を行わせていただく全国の都道府県ではそもそもSDGsは聞いたことがなく、レインボー色のバッジを最近いろんな人がしている、程度の認知で終わっています。

一人一人が感じている、日々の地域・社会の課題に紐づけづらいのです。

この課題は、SDGsの正しい捉え方をすることが重要なのではないかと思います。私が考えるに、SDGsは共通言語、異なる立場にいる人たちが共通の視点を持つための道具、だと感じます。

その点、SDGsをしっかりと理解することの重要性はありつつも、それが関心を持つ一人一人が自身の生活に落とし込むことができず、行動に移せなければ、知識としては価値を発揮しても、社会の持続可能性への進展は全くない状態で終わってしまいます。

近年、SDGsの重要性がバズワードのように、官公庁、地方自治体、民間企業の間で使われるようになっております。それは、社会の持続可能性や社会課題の解決がそれぞれの存在意義の根底にあるということが改めて認識されるようになっているという観点からは素晴らしいことだと思います。

次のステップとしては、SDGsを活用する全てのステークホルダーが、しっかりと個人レベルにその定義を落とし込み、実質的な地域・社会課題の解決に向けて、個人のステークホルダーと歩んでいけることだと思います。

その為に、上記に「数段階の翻訳」が求められると書きましたが、その翻訳又は思考の転換を、SDGsを学びながら、実際のコミュニティの一員としての個々人と共に挑戦してきます。そして、そのプロセスを通じて、一人一人が地域の課題の解決に向けて理解を深められ、取り組めて、SDGsに当てはめることによってより多くの協力者を得られる。その積み重ねが地域を越えた社会課題の解決につながり、将来的には課題先進国として日本が世界に対して提供できる価値につながると信じています。

途方もないプロセスですが、その一歩目を私がICHI COMMONS株式会社で立上げているコミュニティから初めていきます。もし少しでもご関心のある方は是非、ご参画ください!https://www.facebook.com/groups/ichi.community

伏見崇宏

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