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春一番(はるいちばん)吹く

気象庁はきょう(4日)、関東地方で春一番が吹いたと発表しました。
昨年(2020年)、関東地方で春一番が吹いたのは2月22日でした。

春一番(はるいちばん)は、
例年2月から3月の半ば、立春から春分の間に、
その年に初めて吹く南寄り(東南東から西南西)の強い風。
主に太平洋側で観測される。
春一番が吹いた日は気温が上昇し、
翌日は西高東低の冬型の気圧配置となり、
寒さが戻ることが多い。

気象庁の定義で「春一番」とは、
立春から春分の日の間に 
日本海で低気圧が発達し 、
初めて南寄りの強い風(8メートル以上)が吹き 
気温が上昇する現象です。

各地の13時30分までの最大瞬間風速は次の通りです。

東京都心:15.2メートル(南) 13時06分観測
横浜:18.3メートル(西南西)  12時37分観測
千葉:20.2メートル(西南西)  12時28分観測

気象庁が関東地方の春一番の観測を始めた
1951年(昭和26年)以降、
最も早く観測されたのは1988年(昭和63年)の2月5日、
最も遅く観測されたのは1972年(昭和47年)の3月20日である。

また、春一番は必ずしも毎年発生する訳ではなく、
気象台の認定基準にあてはまらず、
「春一番の観測なし」とされる年もある。

ちなみに最近では
1992年(平成4年)
1996年(平成8年)
2000年(平成12年)
2012年(平成24年)
2015年(平成27年)
には発生を観測されていない。

ということで、今年は統計を取り始めた1951年以降、最も早い記録です。
立春自体も124年ぶりに3日だったので、
この記録が塗り替えられることはなかなか無理な事・・・
と感じるでしょうが、なんと今後4年に1度立春が3日になるので
塗り替えられる可能性もあるんです( ´艸`)ムププ

なお、春一番が観測されたとき以降、
同じ年に同様の南風が複数回発生した場合には、
俗に「春二番」「春三番」と呼ぶことがある。

歌にもあるように「春一番」というと、
もう春だなぁとウキウキしてしまう気がしますが、
実はそんなに『甘っちょろい』言葉ではないのです。
春一番そのものは人命を奪うなど
重大な災害を起こしうるほどの嵐なのです。

春一番は、雪崩や融雪洪水などの気象災害や海難事故をもたらす。
1978年(昭和53年)2月28日には、
東京地方で春一番による竜巻が発生し、
営団地下鉄東西線(現・東京地下鉄東西線)の車両が
橋の上で脱線・転覆して、大きな被害を生じた。

■語源■
春一番の語は、
長崎県壱岐島の一漁村の人々が使っていた呼称が、
日本中に通用する気象用語になったのである。
これが「春一番」であった。

郷ノ浦港の入り口近くに元居浦と呼ばれる漁村がある。
ここの人達は早春に吹く南寄りの暴風のことを「春一」と呼んでいた。
それが広く知られる契機となるのは、痛ましい海難事故があったことによる。
安政6年(1859年)2月13日、同郡郷ノ浦町の漁民が出漁中、
おりからの強風によって船が転覆し、53人の死者を出した。
この事故以来、春先の強風を「春一」もしくは「春一番」と呼ぶようになり、後には全国に広まった。

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