たまプリ

私が小学生だった頃。


たまちゃんという友達がいた。まることたまちゃん、みたいな関係性ではななかったけど。実際はたまちゃん呼びはしていなかったが、ここではそう呼ばせてもらう。


私たちの共通項は週刊少年ジャンプだった。JSでWJを読んでいる友達はたまちゃんしかいなかった。


火曜日はいつもWJの感想を交わしていた。ブリーチまた見開き顔面だったねとか今週のバクマンはあーだこーだとか新連載が云々とか。


私たちは、好きな漫画が違っていた。


私は家庭教師ヒットマンリボーンを、たまちゃんはテニスの王子様をそれぞれ愛していた。


お互いに干渉することなくそれぞれの作品を愛していた。たまちゃんの好きな漫画、テニプリ以外思いつかない。


私は四六時中リボーンの事ばかり考えていたので、友達の好きな漫画の話題など一切聞く耳を持たなかった。完全なるリボーン厨であった。たまちゃんも私と同様、ひとつの作品に熱心になり、テニプリ厨と化していたのではないだろうか?きっとそういう女だ。


後に私たちは同じ通学範囲内の中学校に進学し、同じ部活動に籍を置くことになる。ほどなくして、私が中学生特有のセンチメンタルに陥り、部活を辞めた。そのため、会話の機会は必然的に失われてしまった。私は中学3年間のうち、半分は学校へ行っていなかった。


時は流れ、15歳になった。もうジャンプは買っていなかった。私は中学から進学する人の少ない私立に、たまちゃんは多分公立へ。


楽しい思い出なんか一つもない、監獄のような学校と別れを告げた。


たまちゃん、今どこで何してんだろう~~~。





5年後。


2020年、私は「テニプリ」と相対する。マジに。



なんていうか……その……フフ……


えー、ジャックの動画で見事にハマりました。もう、面白すぎました。


知ってから早かった。自粛期間真っ只中で、アニメを見るのが捗る捗る。


ミュージカルまで到達するのも、早いこと早いこと。


今年の夏休みは、中学生テニス選手と無人島でサバイバルした。あと学園祭の実行委員になって中学生テニス選手と模擬店を運営した。


ええぇぇ…たまちゃんこんなに楽しいコンテンツをJSの頃から知ってたの!?!?敬服いたします…心から。


こんなに、ステキコンテンツを、今までスルーしてのうのうと生き、病んだり、バッド入ったり、傷ついたり、そんな自分が愚かしい。実に愚かしい。


今や、一日に18時間はテニプリの事を考えている。


もし、あの時お互いが好きなもので語り合っていたら、今頃どうなっていたかな。私は若くして雌猫になっていたのかな。今と全く違う人生を歩んでいる、想像できないけどそんな気がする。


あと絶対テニス部に入ってた。でも、テニスは怖い先輩がいたからなぁ。クニミツみたいな先輩、いなかったしなぁ。ハァーン。


点と点、Kamuiが言っていた。点と点なんだって。


2010年と2020年。スクアーロと菊丸英二。リボーンOPのイズィゴ&桔梗サンの和樹とかとべ。たまちゃんとジャック・オ・蘭たん二つの媒介。プロイセンとロスチャイルド。


思いがけないところで繋がる。生きていれば。命を繋ぎ留めておく頑丈な装置は無いけど、生きてさえいれば、一筋の光が差すんだな。


この悦びを享受し、それだけで幸せな気持ちになれる。


しかもテニスの王子様という圧倒的沼に嵌った。生きててよかった。


先日、Dream Stream が、ありましたね。画面越しでしたけど、ドキドキ感とか、”場”を思い出して懐かしい感覚を味わえた。なんだろう、3rdから知って、でももう卒業するってことで。リアルで追った期間短すぎて悔しい。でもでも、破格で配信見れるってヤバすぎ…。ほんとにすごくて、あの。


これからも楽しみですね。情報が待ち遠しいばかり。


たまちゃんは、今もテニスの王子様が好きですか?君のことをこんなに思い出す日が来るとは思わなかった。あの時、たまちゃんと友達じゃなかったら、今私はテニプってない。


感謝。感謝。感謝のスマッシュ。


もしこれを読んで、あ、こいつあいつかもって思ったら、年賀状ほじくりかえして私の実家に一通頼む。



どないな確率、とお前は言うよな。







~多分余談~

WJを購入していた頃、ジャンプSQ.の読者でもあった。そう、新テニスの王子様が連載していて、脱落組が奮闘しているらへん。そこらへん。ページを開いたら、めっちゃ野性味あふれるおっさん出てきて、ナニコレってなって考えるのと読むのをやめた。みふみふ…。これも、点と点…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?