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統合失調症患者が就職するならオープン就労を薦めます

精神障害者が就労するときは、「オープン就労」「クローズド就労」という問題で悩む方が多いと思います。
 知らない方に説明すると、

・オープン就労
 障害があることを公表して就職する(障害者枠とか)

・クローズド就労
 障害があることを隠して就職する

 とまあ、簡単に言うと「障害の公表をどうするか」っていう問題なのですが、私個人の意見では、障害者手帳を持ってるなら障害者枠のオープン就労をオススメします。

 クローズド就労を選択するのも、気持ち的にはわかるのです。
 障害者枠求人は、まず求人数自体が少ないですし、求人票を見ても給与の低めの職種が大多数を占めていたりもします。
 病気自体を公表したくない、という気持ちだってあります。

 でも。
 私は、オープン就労を薦めたい気持ちです。

 クローズドだと、体調を崩したときに、明らかに病気が原因でもそれを説明できなくて「何かよくわかんないけど体調良く崩してて大丈夫なの?」とか思われます。
 隠している、ということ自体が負担になってくることもあります。
 そして、精神障害者というのは、心的負担が体調に現れやすくて、隠している負担が体調不良になってさらにそれが言えなくてまた負担になって体調をくずして……という無限ループに陥りやすいのです。

 オープンにしておいたところで甘く見てもらえるかと言えばそうでもないんですが、「病気で調子が悪い」と言って、場合によっては気にしてもらえる(かもしれない)という安心感は、働き続けるうえで結構大事かなあという気がしています。
 就職はゴールではなく、スタートです。
 働き続けられないと意味がありません。

 あと、統合失調症って学生時代に発症した人って結構多いです。
 結果、学校を中退してしまっていたり、20-30代で職歴0だったりとか、そういう人って結構いると思うんですよね。
 というか私のことなんですが。

 クローズドだと面接の時なんかに「この期間どうしていたの?」って訊かれて答えに窮してしまうこともあるかもしれません。
 そして、(採用人事を手伝っていた経験から言いますが)面接官は嘘には結構敏感ですし、大事な場面で嘘をつくような人は採用されにくいです。
 採用されたとしても、ぼろが出ると周りの信用を失います。
 周りの信用を失うと、仕事、しにくいです。

 オープンならだれててもいいのかっていうとそういうわけではないのでご注意。障害者手帳は、職歴がないことの「免罪符」くらいの使い方です。

 採用側の視点として、「業務を任せることができるかどうか」というのが大事です。
 業務を任せることができるかどうか、というのは、「やる気があるか」「能力があるか」「体力があるか」というのが主なものです。

 やる気は見せてください。
 言葉だけじゃなくて、必要な資格を取るとかの「見てわかる」ものだとより有効です。
 能力は育てて行ってください。
 大丈夫です、能力の大半は「慣れ」です。

 体力。
 統合失調症患者は疲れやすいです。
 体調も崩しやすいです。
 ある程度自己管理できないと就労は難しいと思います。
 自己管理は、「自分の体調を認識できる」「体調の変化に自分で対処できる」という2つが大事です。

 体調の変化への対処には、お薬を飲むとか、適宜休憩を取るとか、そういうのに加えて、「不安要素を排除する」というのが大事かなあと考えます。

 繰り返しますが、統合失調症患者は、心的負担が体調不良に結びつきやすいです。減らせる負担は減らしておきましょう、というのが言いたいのです。

 別に病気についてこまごまと伝える必要はありません。
 そこそこコンプライアンスがしっかりしている会社だったら、直接接する人くらいにしか障害者であることは公表されません(個人情報保護の観点から)。

・精神的な病気で体調を崩しやすい
・でも対処は自分でできる

 公表するのはこれだけでいいのです。というか、これ以上は「わがまま」と取られかねないのでむしろ言い過ぎない方がいいです。

……とまあ、私の体験からいろいろ言ってきましたが、就労を考えている統合失調症患者の方がいらっしゃったら私はこうアドバイスしたいです。

 あ。
 ハローワークの障害者窓口で最初に「就労許可証」みたいなものの提出を求められた記憶があります。
 主治医に書いてもらうもので、書式はハロワで貰ったような気がするんですが、これ、診断書代が必要なのでお気を付け下さい。(今はどうなってるかわかりません)

(なんかまだ書かなきゃいけないことがあったような気がするけど思い出せない……)

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