PSMから見る高木アルディージャの狙いと現状(vs松本山雅FC)

はじめまして。ちくきと申します。
かれこれ19年ほど大宮サポーターをやっている20代の人間です。

開幕戦まで残り2週間となった大宮アルディージャの現状とチームとしての狙いがどのようになっているのかを、極寒の中で行われたPSMを通じて話していきたいと思います。

試合について述べていく前に軽く大宮アルディージャ(以降、大宮)の編成について話していこうかと思います。
2018年シーズンの至上命題であったJ1昇格を達成できなかった大宮は石井正忠前監督が退任し、横浜FC・Vファーレン長崎で昇格経験のある高木琢也監督が就任しました。
マテウス・マルセロ・カウエ・キムドンスの助っ人外国人選手や前回のJ1昇格を支えてくれた加藤や横谷が退団した一方で、石川(湘南)・ファンマ(長崎)・畑尾(名古屋)・小島(レンタルバック)・清水慶(レンタルバック)・小野(明治大)など実力者を獲得することができました。
3421・3142 ・442・433など様々な戦術に対応出来るだけでなく、2列目・ボランチ・トップなどJ1でも十二分に通用する選手編成になっていると思います。

さて、試合の話に入ろうかと思います。

反町体制8年目の松本山雅FC(以降、松本)は、おなじみの3421を採用。元大宮の今井と岩上が揃ってスタメン入り。

新加入の石川・ファンマがスタメンに入った大宮はキャンプを通じて練習してきた3421を採用。 

松本の3421に対して中盤で優位をとれる3142を大宮は採用してくるかと思いましたが、選手の配置が完全に噛み合うミラーゲームを選択してきました。

結果は新加入の石川・生え抜きの奥抜のゴールで2-0で大宮の勝利となりました。
無失点での勝利となりましたが、大宮のプレッシング・ネガトラの準備不足が利用され、GKとの1対1のシーンが作られていたので守備面はまだまだ改善が必要ですね。この辺りは後述したいと思います。

①大宮の攻撃(415可変とHSの活用)

松本の541による守備に対して、大宮は3421から415に変換していきます。図の通りなのですが、ボランチの一枚(石川)が最終ラインに降り、もう一枚のボランチ(大山)がアンカーの役割を果たしています。また、両WB(中村・渡部)は外に張り出し、相手の最終ラインの高さまでポジションを上げていました。このような変換により、相手のWBを押し下げることにより、シャドーがプレーする相手の2ボランチの脇のエリアを確保することが出来ます。

シャドーの選手(大前・嶋田)は主に青のスペースに降りてきて最終ラインからの縦パスを受け、前線へパスを配給するインサイドハーフとしての役割と、ゴールを狙うあるいは相手の最終ラインの裏のスペースを活用するようなアタッカーとしての役割を担います。

シャドーの選手が降りてくることで以上のような状況が生まれ、結果的に相手のハーフスペース(検索するといろいろな記事が出てくるので読んでみてください)を活用することが出来ます。
ハーフスペースに侵入し、相手の裏を取ることが出来れば最後は相手PA内にクロスを入れることで得点を狙います。この際に逆サイドのWBとシャドー及びトップの選手が走りこみフィニッシャーとして機能します。

大宮の攻撃の狙いは
①相手のハーフスペースで選手が時間を得る
②相手CBをつり出し、そのスペースを活用しながら敵陣の奥まで侵入する。

ということだと思います。あまり上手く崩せるようなシーンは少なくてむしろ松本に同じようなことをやられていました。
②に関して、つり出して得られた相手CB~WBのエリア利用する選手はファンマが多かったですね。ファンマが流れてくることで空いてくる中央のスペースを利用する形も見えました。あるいは、中村が入ってきてシュートを打つ場面も見られました。

②大宮の守備の問題点(はまらないプレッシングとネガトラ時の中央スペース)

松本も大宮も狙いとしているスペースの開け方や活用は似ていたのですが、松本の方がより奇麗に活用していました。
では、大宮の守備の何がいけなかったのでしょうか?
そこには、523の守備の欠点と関係があります。

523という形は、ボランチ2枚で敵ボランチをつかまえながら前の3枚で相手最終ラインにプレッシャーをかける&最終ラインを5枚で守ることを両立させたい狙いがあると思います。
しかしながら、図で示したようにこの選手の配置ではボランチの脇のエリアがぽっかり空いてしまいますね。

相手はボランチ脇のスペースを利用しようと考えてくるはずです。では、大宮としてはどう守りたかったのでしょうか?TMの千葉戦では、ボールサイドのWBが一列上がることでこのスペースを埋めていました。

しかしながら、松本戦ではボランチ脇のスペースがぽっかりと空いたままになり、そこを活用され続けていました。これは、本来スペースを埋めるはずのWBが相手WBの高い位置取りによって最終ラインに留められてしまい起きました。


青のエリアをシャドーに使われ、あとは大宮の攻撃の話でしたことと同じように崩されていました。
対策としては、以下のような二つが考えられます。
①541でセットし、プレスをかける位置を下げてボールが入ってきたところを絡めとる
②532でセットし、中央を3枚で守ることで中盤で生まれるスペースを消し、前2枚でパスコースを制限する。

守備の問題に関してはネガトラ(攻撃から守備に転換)の準備にもありました。
大宮は415気味に相手を攻略しようとするため、相手にボールを奪取されると中盤に1枚しかいません。中盤に1枚しかいない為、容易に最終ラインが相手に晒されることになります。中盤一人じゃどうしようもないですよね。恐らくこの辺りは高木さんも開幕までに修正してくると思います。

③得点シーンの振り返り(先制点だけ)

さて、これまで大宮の攻撃と守備について説明してきましたが、ここでは石川のゴールについて図解していきたいと思います。

1点目(得点者:石川、アシスト:ファンマ)


このゴール自体は相手のGKのロングボールを菊地が競り勝ち、大宮にそのボールがこぼれたところから始まったのでビルドアップから生まれたゴールではありませんでした。しかし、自陣に相手を引き込んだところを、ファンマのサイドに流れる動きを使って一気に相手の裏を取る形は今後活用できるのではないかと思いました。

二点目の奥抜君のゴールに関しても、ロングボールをファンマが少しサイドに流れて相手に競り勝ち、ファンマの開けたスペースに奥抜くんが抜け出してのゴールでした。ファンマのサイドに流れて中央を空ける動き、あるいはサイドの選手を助ける動きは今シーズンの大宮にとって大きな力となってくれると思います。

最後に

TMを含め5-0での勝利となりましたが、改善点は多くあると考えています。しかしながら、高木監督はPSMのような公開試合において全てをさらけ出すような監督でもなければ、問題点を放置するような監督ではないと思っています。恐らく、開幕までの残り2週間で最後の詰めを行っていき、そこで今回のPSMで見られた問題(わざと放置していた?)を潰していくのでしょう。

また、開幕戦のスタメンはおそらく今回のPSMのスタメン組とは異なると思います。TMでは茨田や小島、佐相、奥抜など素晴らしい活躍を見せた選手が数多くおり、TM組の出来から考えてもベストメンバー及びベストなサッカーで挑んだわけではないと思います。

昨シーズンもPSMと開幕戦で石井監督は素晴らしいサッカーを見せてくださいましたが、2節・3節・4節…と上手くいかなくなったときにサポーターからの圧力がかかり目先の結果を求めて方向転換を計ってしまった部分は大きいと思います。そしてそれがどのような結果をもたらすかはご存じのはずです。渋谷監督のときも同様ですよね。
温かい心を持ったサポーターが多い大宮サポーターながら、我慢が足りないのは本当に頭の痛い問題だと私は捉えています。
今シーズンはアルディージャがJ1に昇格してJ1に定着できるか、それともJ2で低迷してしまうかがかかった本当に重要なシーズンです。
サポーターが出来るのはあくまで応援によって監督や選手に気持ちよく自身をもってプレーしてもらうことだけだと思います。長らくサポーターを続けている方は最初のJ2時代や残留争いを繰り返していた時代を思い出してみてください。苦しい時も必ずチームを鼓舞し続けて支えていたはずです。
横浜FCとVファーレン長崎で昇格を経験している高木監督を信頼して大きな心でチームを支え、鼓舞し、チーム・サポーター共に喜びを分かち合っていきましょう!

オススメの記事です。
五百蔵さんによる森保サンフレッチェについての記事になります。
大宮が今後抱える可能性のある問題について書かれていますので、大宮サポーターの方はお読みいただけると嬉しいです。
https://victorysportsnews.com/articles/4687/original
https://victorysportsnews.com/articles/4706/original

今回の投稿に意見や質問等ございましたらTwitter(@Soka_ardija0331)へお願いしますm(__)m

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大宮アルディージャについての記事を投稿してました。今はこっちで書いています→https://omiyadangikai.hatenablog.com/ noteでは主に海外のチームについて書いていきます。
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