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薪ストーブ選びから設置までのお話

薪ストーブはハースストーン

たくさんある薪ストーブの中から、僕たちはハースストーンのシェルバーンというモデルを選びました。

他にもバーモントキャスティングスのアンコールとか、ヨツールのF500など、魅力的なストーブはあったんだけど、メンテナンス性や価格の面からこれに決定。

薪ストーブは大きく分けて、触媒方式とクリーンバーン方式の二つがあって、それぞれにメリットデメリットがあります。
燃焼効率的には触媒式の方がいいけど、触媒自体が消耗品で定期的な交換が必要。
クリーンバーン方式は触媒が必要無く、二次燃焼用の空気を送り込んで燃焼を促しますが、触媒方式より効率面で劣る。

シェルバーンはクリーンバーン方式。

ちなみに煙突代と工事費を入れて、大体100万円でした。ホームセンターで安い物も売ってるけど、ちゃんとした薪ストーブ屋さんで購入するメリットはあって、やはりアフターケアの充実という点は大きいです。

基本的に薪ストーブ屋さんは自分のところで施工したストーブしかメンテナンスしてくれません。火災の危険がつきまとう薪ストーブですから、誰が設置したかわからないものをメンテするのはリスクがあるということです。

あとは薪集めを助けてくれる仕組みがあるのも大きい。うまくすればお金をかけずに薪を集めることができるのです。

僕たちが購入したのは桜川のカントリーログというお店。ここは1日薪割りを手伝えば軽トラ1台分の薪がもらえるみたいで、薪の確保に関しては安心できそう。

薪ストーブの煙突がついた

煙突はできるだけまっすぐ設置した方がよくて、途中で曲がっていると効率が悪くなります。それだけでなく、曲がったところの内部に煤などの汚れが付きやすくなってしまうので、頻繁に掃除が必要になってしまう。
事情があって壁から出さないといけないってこともあると思うけど、その場合も曲げる回数は可能な限り少なくした方がいいです。

屋根を貫通させるというと雨漏りが心配されるけど、ちゃんと施工すればその心配はないみたい。

今の薪ストーブは燃焼効率がかなり良くなっているので、乾燥させた薪を使えば煙もほとんど出ないそうです。

石油への依存度の低い生活ができたらいいな。

断熱二重煙突

これは煙突の屋根貫通部分の断面。

ストーブ本体より煙突の方が大事かもっていうくらい煙突選びは重要項目。
煙突にはシングル煙突と二重煙突があって、やはりそれぞれにメリットデメリットがあります。

まずシングルだけど、これは何と言ってもコストが安い。でも安い以外にはあまりメリットはないかな。
薪ストーブは排気温度が低くなってしまうと上昇気流の力(ドラフト)が弱くなって、燃焼効率が落ちたり煙が室内に逆流したりします。
シングル煙突はガンガン放熱してしまうので、煙道内で煙が急激に冷やされ、ドラフト効果が弱まってしまうのです。さらに煙の温度が下がってしまうと、煙道内にススやタールが付着しやすくなります。

一方の二重煙突はその名の通り筒が二重になっていて、その中でも内筒と外筒の間に断熱材が入ったものを断熱二重煙突と呼びます。ドラフトが弱くなりにくく、汚れの付着も少ない。煙突の外側が触っても熱くないので火傷の心配もないと、いいことづくめです。ただ値段がお高いです。

なので僕らはこれらの煙突のいいとこ取りをしようと思ってます。

薪ストーブの近くは安いシングル煙突、温度の下がりやすい上の方は二重煙突。この仕様でストーブ本体、煙突、工事費込みでだいたい100万円です。

薪ストーブの炉台を作り始める

少しずつ家の中の工事も進んできていて、いよいよ薪ストーブを設置するための炉台作りが始まりました。薪ストーブの大きさから炉台の寸法を出し、木枠を作ります。水平になるラインに糸を張って、セメント、砂、玉砂利でコンクリートを作り流し込んでいきます。平らにするのは難しい。

炉台にテラコッタタイル貼り付け。DIYで炉台づくり

炉台のテラコッタ貼りは父と妻で行いました。
目地の間隔がまちまちだったり、でこぼこしてるのはワザとですよ?『味』というやつです。

このテラコッタですが、素焼きなので水とかすごく染み込んでしまうし、薪ストーブの前でコーヒー飲んだりしたいので、撥水スプレーを吹きかけておこうと思います。

この後目地を詰めて炉台はとりあえず完成。

わが家に薪ストーブがやってきた。hearthstoneシェルバーン

ついに。ついにやってきました。ハースストーンのシェルバーン。
炉内にソープストーンという天然石を用いたクリーンバーン方式の薪ストーブです。蓄熱性が高く燃費がいいのが魅力。

180kgもあるストーブだから重いのなんの。3人がかりでトラックから下ろし炉台まで移動しました。

2階の床下まではダブルウォールの煙突。二重構造なので排気温度が下がりにくく、ドラフト(空気を引っ張る力)も強く、汚れも付着しにくいらしいです。薪ストーブとの接続部分はシングルウォールの煙突。

テラコッタの炉台の上へ設置。ガタツキもなく完璧。

色々と薪ストーブについて説明を受けているところ。

灰はあまりきれいにせず、溢れるくらいになったら少し捨てるくらいがいいそうです。常に灰が全然無いような状態で焚くとストーブにもよくないんだって。ズボラな僕にはぴったりですな。

シェルバーンは立ち上がりがいいタイプのストーブでは無いので、最初は少しドアを開けておいて、十分に火が回ったら閉めるのもコツ。

来シーズンになったら煙突にダンパーを付けることもオススメされました。ダンパーというのは排気の勢いを調節する装備で、これを使いこなせるようになると何かといいらしいです。最初から付けるとわけわからん状態になるみたいなので、今シーズンはダンパー無しで焚き方をマスターして、来シーズンはぜひチャレンジしてみたいと思います。

薪ストーブに初火入れ。

シェルバーンの初火入れは妻の手で。

これこれ。この瞬間を心待ちにしていたのですよ。何気にハースストーンのロゴが見えるようにマッチを持つ気配りも忘れません。さすがデキる妻は違います。

まだ慣らしの段階なのでガンガン焚いたわけじゃないけど、炉内から響く薪の爆ぜる音と、じわりじわりと暖かくなっていくストーブにワクワクが止まりません。

初めて使うときやシーズンの初めには慣らしが必要だそうです。ストーブ自体が水分を含んでいるのでいきなり全開で焚くのはよくないみたい。天然石を使ったストーブだからなおさらかなー。

シェルバーンはとても扱いやすいストーブです。シンプルなのでよっぽど変な焚き方をしない限り壊れることもなさそうだし、操作も空気の調節レバーがあるだけ。メンテも比較的簡単そう。薪ストーブ上級者には物足りないのかもしれないけど、初心者にはこの上なく向いてるストーブなんじゃないかなー。

炉内も50cmの薪が入るくらい大きいし、トップも広くてケトルやら何やらたくさん置けそう。中型のストーブだけど暖房面積は50坪もあるから、わが家をあったか空間にしてくれることでしょう。

シェルバーンってマイナーっぽくて、ネットで調べてもあんまり情報が出てこないんですよね。いいストーブだと思うのでどんどん発信していこうっと。

薪ストーブ慣らし中。

設置した翌朝のシェルバーン。なかなか存在感があります。モノの存在感って案外その質量に比例してるところがある気もしてて、小さくてもギュッと詰まってるものはやっぱり独特の存在感があるなぁなんて思っています。薪ストーブは鉄の塊で相当に重いから、どっしりとした存在感があるように感じるのかも。

ついに憧れの薪ストーブライフが始まるんだなぁ。薪ストーブで沸かしたお湯でコーヒーを淹れて優雅に飲むんだ。
でもまだ玄関ドア付いてないし、隙間風ビュービューで寒すぎるけど。

慣らしはストーブの表面温度が150度くらいになるようにすればいいみたい。ストーブの表面に付ける温度計、誤差が最大で40度くらいあったりするみたいなので参考程度にしかならないっぽいですが。なんというか、おおらかですな。

慣らし中にストーブから黒い液体が垂れてきて炉台に溜まってました。ストーブに含まれてた水分なのか薪の水分なのかよくわからないけど、説明書にも慣らし中に出ることがあるって書いてありました。

そんなこんなで2回目の慣らしは無事完了。

シェルバーンの慣らし完了

設置した日、翌日の朝と夜。3回の慣らしが終わりました。その後もビール片手に1回焚いたんだけど。

薪の乾燥が不十分だったみたいで、火をつけたら炉内が結露しました。やはり本当は割ってから2年乾燥させたほうがいいんだろうなー。

少しだけ焚き方もわかってきました。

最初は空気レバー全開、正面のドアもちょっと開けておいて、火が十分に回ったところでドアをクローズ。空気レバーを真ん中くらいまで絞ると、燃え方が緩やかになって炎がゆらゆらと揺らめきます。木が燃えているというより、木から出たガスが燃えている感じ。炉内の上の方では二次燃焼用の空気によってふわっ、ふわっと炎が浮かんでは消えるような状態でとても美しいです。

薪ストーブって炎がぼおぼおと燃えてる時より、燠になって静かに燃えてる時の方が熱量が高いんだって。なんだか人間も一緒かもねって思う。夢とか目標に向かってメラメラと燃えてる時より、燠のように静かに燃えてる時の方が案外その想いは強かったりするんじゃなかろうか。

そんなこと思いながらシェルバーンの慣らしは無事完了です。

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