すべてを自分で抱え込むのではなく、家族や子どもの 《活躍の機会》 ・ 《成長の機会》 をつくると思い、任せてみる (大変な状況のなかでの暮らしのヒント)


活躍の機会+成長の機会


今日紹介するのは、《活躍の機会》と《成長の機会》です。

在宅勤務や学校の休校などの影響で、家で過ごす時間が長くなりました。

そうなると、家族が朝・昼・晩の三食すべてを家で食べ、その準備片付けをすることになりますよね。

仕事勉強も家でやっているでしょう。

これまでとは異なり、とても多くのことが家のなかで展開されます。

その分、片付け掃除も大変です。

いろいろなことが次々と起こるのでどんどん散らかっていくし、みんながずっといるので掃除もやりにくいですよね。

やることが山積みで、思うようにいかず、家のなかも混沌としていき、これでは、精神的に落ち着くこともできません。

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そこで、家事ややることの一部を家族のメンバーに任せてみます。

こちらから、「これをお願いしたい」と言ってみてもいいし、何をしててくれるのかを、自分で選んでもらったり考えてもらったりするのもいいでしょう。

そのとき、その人の活躍成長につながるようなものであれば、最高です。

単に手助けをしたというだけでなく、何かが「できるようになる」のであれば、こちらが助かるだけでなく、本人にとってもよい機会になるでしょう。

こちらですべてをやることができない状況を、家族の《活躍の機会》や子どもの《成長の機会をつくるというポジティブな機会に変換して捉えるのです。


我が家では、最近、高校生の娘が、料理をしてくれるようになりました。

それまでほとんど料理をしなかったのですが、いまでは頼もしい感じで、任せる日が増えてきました。

最初は、親が二人とも仕事の関係でご飯をつくるのが難しいということで、材料は準備し手順を伝えて、やりやすいかたちでやってもらうというところから始まりました。

ちょうど家庭科の宿題で、何回か朝食をつくる、というのをやったことも、キッチンに立ったきっかけになったのではないかと思います。

また、僕が子どもたちとお菓子づくりをするようになり、その後、僕がいないときでも、下の子どもとやってくれるようになったということも影響しているかもしれません。

初めての料理でも、スマホで検索すればレシピが出てきて、それを見ながらつくれば、おいしくつくることができると、要領をつかんできたようで、楽しみながらやってくれているようです。

先日は、我が家では初めて食べる「新玉ねぎご飯」をつくってくれたり、「今度これをつくりたいから、○○を買っておいて」なんて話までするようになりました。

すっかり頼もしい感じでやってくれています。

その分、僕ら親は別のことをする時間ができ、大助かりです。

もちろん、毎回《感謝のことば》をちゃんと伝えています。

本当に助かっているので。

本人も家族に貢献できているということを実感しているようです。

もしかしたら、今のこの状況でなければ、料理を始めるということはなかったかもしれません。

まさに、今の大変な状況が、《活躍の機会》・《成長の機会》になったのです。


他にも、洗濯物を洗うのは僕がやり、人別にしまうのは子どもに任せる、というような分担をしたりもしています。

小さい子どもが散らかした遊んだ跡を、こちらの手がとても回らないので、子どもたちで協力して片付けてもらったり。

このように、家族のメンバーにいろいろなことを任せたり、手伝ったもらったりして、それを《活躍の機会》・《成長の機会》とするのです。

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そうすると、単に今の状況のなかで日々をこなしていく、ということでなくなります。

家族のメンバーが活躍・貢献することで家族のなかでの役割や位置付けが変わってきます

また、今後にも活かせる力をつけたり経験を積んだりと、家族のひとりひとりに成長があります。

家事の分担や手伝いとなるとなかなかお願いしづらいかもしれませんが、《活躍の機会》や《成長の機会》をつくると思えば、だいぶ言いやすくなるのではないでしょうか。

せっかくなので、家族のそれぞれの活躍と成長の機会をつくってみませんか?

活躍の機会+成長の機会


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今回紹介した《活躍の機会》は、『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』に収録されているもので、もともとは、認知症のご本人が家のなかで活躍できる機会を家族がつくろう、というものでした。

《成長の機会》は、「日々の世界のつくりかた:自分らしく子育てしながら働くためのヒント」に収録されているもので、仕事と家事の両立のなかで、子どもに任せる部分をつくろうというもので、まさに今回書いた内容そのままです。

文中の《感謝のことば》は、「コラボレーション・パターン:創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ」に収録されている、チームワークの秘訣です。


自分がやると単なる作業であることが、他の人がやると活躍や成長の機会になる。

この発想の転換が、今回の最大のポイントです。

そうやって活躍・成長することで、家族のメンバーの主体性と力が育まれていき自分は他のことに力を注ぐことができるようになる。

そんなふうに、家族でうまく連携・協力していきながら、この大変な状況を乗り越えていきたいものです。


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