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【アンスクーリングが注目され始めた理由】

アンスクーリングは、英語でUnschoolingと書き、日本語では「選択的非学校教育」と言えると思います。勘違いされやすいのですが「反学校教育」ではありません。アンスクーリングは、学校に通わず、学ぶ本人が主体的に自分の教育をデザインします。アンスクーリングの情報を探すといろいろな国で情報がありますが、アメリカではアンスクーリング の情報が多くコミュニティもあります。というのも、アンスクーリングという言葉自体を使い出したのが、アメリカの教員が最初であると言われています。

アンスクーリングは反学校教育ではないと言いましたが、多くのアンスクーラー(アンスクーリングをしている人たち)は、学校に大きな問題があって通わなくなったのではなく、こどもの学び方を観察した上で、アンスクーリングが合っていると選択した人たちです。さらに、アンスクーリングをしていても、こどもが主体的に学校を選択するのであれば行っても良いと考えていますし、実際には学校に通わずに大学進学をしている人も多くいます。

アンスクーリングでキーワードとなるのは、主体的な学び、興味関心、好奇心というところで、一見学校教育でも同じことを言っているのではないかと感じると思います。教育制度の中にいる方が、いろいろと将来を心配しなくてもいいのではないかという疑問もあることと思います。学校制度を学びの軸として考えている方から見れば、アンスクーリングは大きなリスクを犯しているように思えるかもしれません。では、アンスクーラーがみているそれ以上のメリットとは何でしょうか。私はここに学びの本質を考える良いきっかけがあると考えています。

アンスクーラーは、あらゆる人に積極的にアンスクーリングの方がいいと勧めている訳ではありません。しかし、「なぜ学校でなければならないのだろう」と考える人たちがいたら、こういうことを考えているとシェアする方法でアンスクーラーは伝えていることが多いようです。というのも、アンスクーリングが「アンスクーリングを”教える”場所」になることは、本末転倒だと考えているからです。親も子どももみんなで自分の学びに問いを立てることを積極的にしています。

では、アンスクーリングの学びの考え方を見ていきましょう。

なお、この投稿はシリーズの第3回目です。最初からご覧になりたい方は、以下のリンクからご覧くださいませ。


第一回 なぜ学校でなくてはいけないのだろう
第二回 ホームスクーリングからアンスクーリングへ

アンスクーリングの教育思想(教育哲学)とは何か

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