見出し画像

【読書記録】お探し物は図書室まで

“あ、私この人好きだ”

そう思ったのは、今回紹介する作品の著者、青山美智子さんの本に出会った時でした。


その時は今作とは違う別の作品だったけど、表現や考え方、物語の展開、登場するキャラクター、世界観。どれも好みにバチッと当てはまって、すっかりファンに。


小学生の頃に、湊かなえさんの作品に出会えた時くらいの一目惚れでした。(読書で一目惚れって表現は間違ってるような気もするが)


そして、ずっと読みたかった今作の『お探し物は図書室まで』

ようやく読めたので感想を書きたいと思います。


連続短編集で物語が進んでいくのが、青山先生の作品の素敵なところで、今作もその世界にどっぷりハマってしまいました。


人との繋がりやご縁を大事にしようと思える一冊。


人ってそれぞれ色んな想いでその瞬間を生きていて、歩んできた過去もみんなバラバラで。

それは当たり前のことだけど、普段忘れてしまいがちなことだとも思うんです。


学校の先生、お店の店員さん、若いアルバイト生…

そんな風に相手をカテゴリーに分けて認識してしまいます。


でも、いわゆる”中の人”はみんな違いますよね。

それぞれ名前があって、家族や友達がいて。

普通はそこまで意識しませんが

誰の立場に立つかで見える世界も大きく変わる、

それを改めて感じさせられました。


そしてまた、出会い、繋がっていくことで関係性も変わっていく。

店員と客から知り合いへ。

クラスメイト同士から親友へ。


そんな風に、お互いを知っていくことで新たな関係性に変わるのが面白いなあ、と。

普段私たちが当たり前にやっていることなんですけどね。


なんだか、自ら色々と思いを巡らせたくなる素敵な本でした。



この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?