CES 2021レポート・リレー - 最終日
はじめに
先日世界的なテック系イベントであるCESに参加してきました。CESでは最新テクノロジーのトレンドはさることながら、世界のトップリーダー達がどのように事業の舵取りをしているかを窺い知ることが出来ました。そこで今回はキーノートの中から特に印象に残ったものをいくつかピックアップしてご紹介していきたいと思います。
General Motors
まず初めはGeneral Motorsによるキーノートで、自動運転や「空飛ぶクルマ」を紹介していました。「空飛ぶクルマ」を見た時は未来がぐっと近くなった感じがして衝撃的でした。近未来的なデザインでブランドはキャデラックとのことです。
General Motorsに限らないのですが、今回のCESのキーノートを見て感じたのは現代ではいわゆる昔ながらのIT企業だけでなく、少し前まではITとそれほど関連が無かった企業もテクノロジー業界を牽引していて、しかもその影響力は多大であるということです。
かつてGEが従来の製造業から「デジタル・インダストリアル・カンパニー」へ変革しようとした時は、かなり先進的な試みと捉えられていました。けれども現在では当たり前のように様々な業界の企業がIT領域に進出し、そしてテクノロジーの分野において大きな影響力を持っているというのはとても興味深く感じました。
ウォルマート
ウォルマートのキーノートでは世界で生じている混乱の中、どのような指針で事業を行ってきたかが説明されていました。とても意外に思ったのが、ウォルマートでは既にヘルスケア領域での事業を行っていたことです。2019年に”Walmart Health”として診療所を開設、その後も次々を診療所をオープンさせています。医療費が高額であるアメリカにおいて、安価に医療を届けるためにスタートさせた事業とのことですが、小売業であったウォルマートがヘルスケア領域に進出していたのは驚きでした。
また、主要となっている小売業に関してもアマゾンに対抗するために新しいサービスを打ち出しており、今後の動向に注目したいと思います。
AMD
個人的に1番印象に残ったのがAMDのCEOリサ・スーによるキーノートです。AMDは半導体の会社で、CPUを主に製造しており世界でインテルに次ぐシェア第二位の大企業です。こちらのキーノートの前半部分ではMicrosoftやHPなどのパートナーとこれまでのお互いの功績等に関するトークを行っていたのですが、興味深かったのは後半ゲーム事業の紹介に入った時です。AMDはこのゲーム市場で売上を伸ばしていて、XboxやPlayStationにもプロダクトを納めているそうです。
もともとAMDが製造するCPUはPC用でしたが、2013年にPC市場が縮小してしまったことでAMDは売上の減少に悩まされていました。けれどもゲーム市場に注目し、当時副社長であったリサ・スーの指揮によりゲーム市場の開拓を実施し徐々にシェアを拡大。売上は回復し、プロダクトの性能向上やアライアンスへの取り組みを進めゲーム事業は現在では主要事業になっています。また、AMD自身もゲーム業界において動作のスピードやグラフィックの美しさを左右する重要な存在となっています。
かつて売上の低迷があった時期から回復を果たし、さらにはゲーム業界を牽引する存在になっている様子を見てリサ・スーCEOの手腕の素晴らしさを感じました。
最後に
CESでは世界をリードする企業が参加し、それぞれ最新テクノロジーの取り組みを発表し大きなビジョンを語っていました。現在一層変化が激しくなっている現在の状況において、絶えず上を目指し続けていくトップリーダー達の姿を見ることができたのは大変良い機会でした。
ところで、GNUSではCESについてさらにご紹介したくウェビナーを開催することになりました。
noteでは語りきれなかった内容もお伝えしたいと思いますので、どうぞお気軽にご参加ください!
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