天国はどこ
どこかに行きたかった。
自分の居場所ってここじゃないって思っていた。
自然が溢れている場所、どこか外国とか
自由で国際的な街、いつか引っ越したい!
そこで人間らしく
朝日が昇れば起きて、日が沈めば寝る、
好きな服を着て、好きな自分でいる。
そんな生活をするんだって。
ずっとそんな妄想していた。
けれど今日意識が変わって、
今いる場所がベストなのではと思ってきた。
ここは田舎ではないし、夜でも明るい。
騒音も始終ある。
自然はあるが、ガチの自然ではない。
子供が行っている学校も理想のものではない。
反◯クチン、医者嫌い(良いお医者様もいるが)
薬飲むの絶対嫌。
公教育反対の思想に賛同してくれる仲間もいない。
けれど自分がここで築き上げてきたものを軽んじるのは
どうかと思った、初めて。
同じ幼稚園でお友達になった素晴らしいママ、
本当に自身の子どもの幸せを心底願っている穏やかな人だ。
偶然見つけた同じ思想の近所のお医者様、
新しい治療法を提案してくれて、
私はお陰でもっと健康になれるかもしれない。
緑があり、川があり、
鳥が囀り、美しい花が咲く近所の場所、
いつもなにも見返りを求めず、癒してくれていたんだ。
本当にあなたは美しいね。
細やかなサポートをしてくれる学校の先生達。
その優しい言葉や楽しい冗談に癒されている。
安心していいよ、大丈夫だよと伝えてくれている。
まずはここで精一杯生きてみたいって思った。
どこかに逃げても良いけど、
きっとここも天国なんだと思う。
ここで生きながら他の場所の事を考えるのはよそう。
この場所に失礼だ。
この土地から受け取っているもの、
それを有り難く頂こう。
また考えが変われば住む場所を変えていいのかもしれない。
けれどそれまではこの場所を尊敬して、
与えてくれているものを感謝しながら受け取ろう。
天国はここだ。