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臨床1年目の教科書

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リハカレスタッフによる、新人さん向けのマガジンです。
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2022年4月の記事一覧

長母指伸筋の触診

前回は小指伸筋について整理してみました。いかがだったでしょう?意外に注目しない小指ですが、生活では使用することが多くあり、小指が動かないことで生活での不便さが予測できましたね。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回は、示指伸筋、小指伸筋の次として母指について整理していきましょう。テーマは”長母指伸筋”です。 1 触れることの臨床意義生活の中でよく利用されるのが、母指、示指、中指の3本です。 では、実際に母指はどのくらい利用されているのでしょうか? この表を見る

小指伸筋の触診

本日のテーマは小指伸筋です。小指は生活で意外に多く利用されます。荷物を持つ時などでは、環指と小指のMP関節が屈曲していき、荷物を引きつけて持つことを可能とします。では、伸展はどのような時に働くのでしょうか? 前回の示指伸筋は箸などの巧緻性に関わっていました。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 1 触れることの臨床意義作用を確認すると、小指の伸展・手関節の背屈とあります。さらに停止を確認すると、第5指の指背腱膜であり、総指伸筋と協働し小指を伸展させることが理解できま

示指伸筋の触診

前回から手指の運動に関わる筋を整理しています。前回は総指伸筋を整理しました。構造を確認すると作用のMP関節伸展の理由がよく分かりました。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回のテーマは示指伸筋を整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義示指に対してアプローチをすることが多いのが作業療法士かと思います。 手の運動の中で、母指、示指、中指の対立は生活で非常に利用される運動です。 例えば、正しい持ち方での箸動作は、母指と示指・中指の対立動作、薬指の支えにより成立

総指伸筋の触診

前回までは手関節の運動に関係する筋の触診について整理していきました。機能解剖を整理すると、なぜその筋に触診するべきか?と目的が明確になり、臨床と結びつきますね。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回からテーマは手指の運動に関係する筋となります。 初回は総指伸筋です。 1 触れることの臨床意義総指伸筋の機能としては示指から小指までのMP関節を伸展させます。 臨床において、この機能は脳卒中後のリハビリを担当する際にはしっかりと確認しておきたいポイントです。 脳卒中患