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臨床1年目の教科書

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2021年8月の記事一覧

僧帽筋(上部線維)の触診

現在は頚部・体幹の筋の触診を整理しています。今回のテーマは”僧帽筋”です。僧帽筋は上部・中部・下部と線維が分かれており、ぞれぞれ違う役割を担当しています。例えば上部線維は肩甲骨を上方回旋させる役割があり、肩甲上腕リズムに支障をきたしている場合は、MMTと一緒に触診し、上部線維の状態を把握しておきたいポイントです。 ぜひ、触り分けが可能になっておきたいですね。 1 触れることの臨床意義上記でも触れた通り、僧帽筋上部線維は肩甲骨の上方回旋を担当しています。この動きを理解するため

胸鎖乳突筋の触診

前回、前々回は斜角筋の触診について整理していきました。触診のランドマークとして胸鎖乳突筋が出てきましたね。 正確な触診をするためにはランドマークが重要です。そのため、今回は胸鎖乳突筋の触診について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義胸鎖乳突筋が片側のみ作用すると、頸部を同側側屈、対側回旋させます。両側同時に作用した場合、顎を上げ頭部を前方突出させます。 さらに、強い呼吸時には胸郭を持ち上げ、呼吸補助として作用します。つまり、斜角筋と同様に、胸鎖乳突筋が膨隆してい

中斜角筋の触診

前回から頚部の筋の触診について整理しています。 今回は、中斜角筋について整理していきますが、中斜角筋の触診のためには、前回の前斜角筋の触診がしっかりできることが条件になります。 ぜひ、前回の復習をしてから中斜角筋の触診を練習していきましょ。 1 触れることの臨床意義中斜角筋は第2〜7頸椎横突起から第1肋骨に停止しています。そのため前斜角筋と同様に左右同時に収縮すると肋骨を引き上げる作用があります。 また、前斜角筋と中斜角筋の間には腕神経叢が走行しています。腕神経叢の障害とし

前斜角筋の触診

前回まで腹側・背側の触診の整理をしてきました。 一緒に機能解剖を調べると、臨床でなぜ触診が必要なのか?がよく理解でき、学習する目的も明確化しますね。 今回から触診のテーマを”頸部”に向けていきましょう。まずは前斜角筋から整理してみたいと思います。 1 触れることの臨床意義前斜角筋は第3〜6頸椎横突起から第1肋骨に停止しています。 そのため同時に収縮すると肋骨を引き上げる作用があります。つまり触診の結果、前斜角筋が異常に膨隆している、過剰収縮をくりかえている、などがあった場合