モチベーションを上げるには? ③「モチベーション」を高めるための My ハウ・ツーづくり後編

④ モチベーションに関連する人間の性質を見つけ出す(具体→抽象)


以下は前回の記事のつづきです。

https://note.com/i_lab/n/n6f7a1c310923


次のステップは、具体から抽象です。ここでは、感情に注目すると抽象化しやすくなるでしょう。
具体 → 抽象


ドイツ語ができなくてすごく困ってる
  → 生活上の必要性、心配・不安・悩みを解消したい
自分のドイツが通じた!
  → 成功・達成・成長の喜び
ドイツ人と会話ができた!
  → 成功・達成・成長の喜び
先生がイケメン♡
  → その場にいるだけで楽しい・高揚感
先生にほめられた♡
  → 認められた嬉しさ
試験に受かると受講費がもどってくる♡
  → 物的報酬への期待感
一緒に勉強する仲間がいる♡
  → 仲間意識・連帯感
ドイツ語(の勉強)自体が好き♡
  → 興味関心が満たされる嬉しさ
ドイツ語ができる自分になりたい!
  → 成長できる喜び・誇らしさ・なりたい自分
ドイツ語で誰かの役に立てた!
  → 貢献感
仕事(ビザ取得)に必要!
  → 生活上の必要性、心配・不安・悩みを解消したい

ご自身で書き留めた具体例についても抽象化してみてください。

さて、ここでモチベーションについての研究で分類されている項目について見てみましょうか。
学習動機の二要因モデルというものがあります。(出典:学ぶ意欲の心理学 市川伸一著 PHP研究所)
https://www.amazon.co.jp/dp/4569618359
それをちょっとわかりやすい言葉にしてみました。

内発的動機~ひとりでも自ら勝手に学んでいく
①好き・興味関心
それ自体楽しい
充実感
②成長したい
頭を鍛えるため
能力を高めたい
③実利・自分の役に立つ
仕事・生活に活かしたい

外発的動機~たったひとりなら学ばない
④仲間と一緒
他者につられて
⑤認めてもらいたい
プライド・競争心
⑥アメ・ごほうび
報酬を得るため

このさらに上に「使命感」「自己実現~なりたい自分になる」もあります。

こうした分類わけはとっても強力ですね。と同時に枠に入らないものもありそうです。具体例を抽象化した枠に分類してみるとどうなるでしょう。

①好き・興味関心
  → 8. ドイツ語(の勉強)自体が好き♡
②成長したい
  → 2. 自分のドイツが通じた! 3. ドイツ人と会話ができた!
③実利・自分の役に立つ
  → 1. ドイツ語ができなくてすごく困ってる 11. 仕事(ビザ取得)に必要!
④仲間と一緒
  → 7. 一緒に勉強する仲間がいる♡
⑤認めてもらいたい
  → 4. 先生がイケメン♡ 5. 先生にほめられた♡ 
⑥アメ・ごほうび
  → 6. 試験に受かると受講費がもどってくる♡

9.ドイツ語ができる自分になりたい!
10. ドイツ語で誰かの役に立てた!
この2つは大きくは「なりたい自分になる~自己実現」としておきましょう。また、誰かの役に立てるという「貢献感」は、アドラー心理学では幸せの3条件というもっとも根源的な幸せに関する欲求の1つです。

⑤よいモチベーションとは?

モチベーション要因にはざっくりわけて6種類+1あるということを見ました。
そのうち圧倒的に一番いい、最上の要因が、① 好き、興味関心 です。

幼児を見てると気づくと思いますが、
「何かに夢中」
「つい、やってしまっている」
「つい、そのことを考えている」
「やるなと言ってもやってる」

状態に一瞬で突入すること、よくありますよね。
そんなときは、もろに全身で喜びを表現しています。
楽しすぎてとびはねる
目の輝きがすごい

大人からしたら何の役にも立たない、特にもならないことに無我夢中になります。
こんなときは、上の6つのうち① 好き、興味関心 だけがモチベートしています。
⑥「アメ・ごほうびをあげるからやめて」と言ってもやめないでしょうし(笑)、⑤ 認められたい、③ 実利・自分の役に立つ などといったよこしまな気持ちは一切ありません(笑)
④ 仲間・・・たったひとりでもやらずにはいられないでしょうし、
② 成長したいんじゃなくて、結果として成長しています。
※小学生以上になると「好き」「興味関心」と「中毒」「〇〇依存」についてお子さんの様子を観察して見分けるのが難しそうですね。

優先順位として、まず①、そこに結果として② 成長したい が満たされると最高です。
まずは①、②にフォーカスしましょう。

⑥ 見つけた性質のスイッチの入れ方を見つける(抽象→具体)

さて、本質が見えてきたでしょうか?
それでは、ハウ・ツーづくりに入っていきます。
①好き、興味関心 と② 成長したい をブーストさせるハウ・ツーのつくり方、それではうまく行かない場合の③~⑥+1の動機づけについて詳しく考えてみましょう。

好き、興味関心スイッチを入れるには?
→「ドイツ語の練習自体が楽しくなる工夫=ゲーム化
→「日常をドイツ語練習の題材にする。(これなんて言うんだろう?と思ったものを写真とってタイトルつけてスマホアプリ(Evernoteとかノートアプリなど)に1日3個保存とか)」
→「好きなテーマをドイツ語練習の題材にする。(食べ物・料理とか趣味とか)」
成長したいスイッチを入れるには?
→「小さな成功をたくさん積み重ねるスモールステップ~今日はこのフレーズを使ってみるとか」
→「自分に甘く、ハードルを下げる~できるものを繰り返すとか」
→「成長・達成を見える化~計画を書くのではなくやったことを書く→がんばってる感、アタシえらいじゃん感を味わう」
実利・自分の役に立つスイッチを入れるには?
→「実際によくあるシチュエーションの会話パターン、使うフレーズをピンポイントでマスター」
仲間と一緒スイッチを入れるには?
→「クラスメイトや勉強仲間と報告しあう
認めてもらいたいスイッチを入れるには?
→「先生にがんばってるアピール」
→「ほめてくれる、すごいと言ってくれる人を見つけて報告」
アメ・ごほうびスイッチを入れるには?
→「これができたら自分にごほうび」
なりたい自分・自己実現スイッチを入れるには?
→「今日はこれにチャレンジを決めて実行」
→「困ってるクラスメイトに教えてあげる」

これらはほんの一例ですが、本質がわかって、本質→具体化を繰り返していればいくらでも具体案が思いつくようになっていきます。
ご自身の場合には、欲張らずにその中で1つだけ、やりたいことを試してみてはいかがでしょうか。
お子さんの場合には、その子の興味関心と今の状態を見て、できるだけ、①=練習自体が楽しくなるようにゲーム(遊び)化するのがダントツおすすめです。

ハウ・ツーを誰かに教わるのではなく、ハウ・ツーのつくりかたを学べば、1人1人に合わせたカスタマイズド・ハウ・ツーをつくりだせます。

ご自身の学びにも、お子さんの学習にも応用してみてください。

そろばん教室やってます。


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