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DENIM HOSTEL float インターン 熊坂薫さん┃立教大学ホテル運営論 インターン体験インタビュー

一般社団法人Intellectual Innovationsの柚江夏弥です。立教大学観光学部で開講される「ホテル運営論」では、さまざまなゲストスピーカーをお呼びして、講義を展開しました。講義と連動して、ゲストスピーカーの方々の紹介インタビューを連載してきました。

しかし、なんと今回は、受講された学生さんのインタビューをお届けします。

登壇してくださったゲストスピーカーが運営されるホテルに、実際にインターン生として飛び込んでくれた受講生がいるのです。

そのお一人、熊坂薫さんに、DENIM HOSTEL floatでのインターン体験を語っていただきました! お楽しみください。

DENIM HOSTEL floatを運営されている島田舜介さんのインタビューはこちら!
https://note.com/lng/n/nd2b768842dc9?magazine_key=m4ac153a3ba32
【PROFILE】
立教大学観光学部2年。大学2年時に1年間休学し、シンガポール国立大学へ留学。
学外でベンチャー企業と地元である千葉県八千代市の観光協会でインターンを行う。

ホテル×製品×土地性の組み合わせに惹かれた

――インターンに行きたいと思ったきっかけを教えてください。

大学に入った当初は、海外に行きたいという思いが強く、英語の資格を取るために勉強をして、2年生のときに留学しました。資格の勉強や海外留学などと、いわゆる意識高い系の生活を送っていました。いざ3年生になると、いろいろやりたいことも出てきて、「これから何をやろうかな」とずっと考えていました。

昨年まで留学でシンガポールにいたので、今学期は久しぶりの観光学部の授業でした。改めて観光学部の授業を受ける中で、観光産業の可能性を感じました。そんな中でも幅広い領域と接点を持てるホテルについて興味がありました。もともとリモート授業でフットワークが軽く、時間もあったのでホテルに関するインターンをやってみたいなと思っていました。そんな時にツイッターで情報が流れてきました。

DENIM HOSTEL float (以下、float)について調べているうちに、デニムの販売場所として宿泊施設を活用している「新しい宿泊施設」として興味を惹かれました。
floatでは、宿泊施設を通じて児島で生産されたデニム、児島のことを知ることができます。その土地のことを知り、新しい気づきに触れて、ホテルから次の場所へ。そういった導線を作る宿泊施設は良いなと思いました。また、環境問題に元々関心があり、アパレル産業では大量生産、大量廃棄が問題になっていたりするので、そういうことも相まってfloatに惹かれました。

のちに島田さんご本人も、「ホテルはお客さんを長い時間確保できるもので、こんなことはホテル以外ないよね」とおっしゃっていました。普段、服とかデニムを買うとなってもお客さんと話したり、デニムに触れる時間は30分くらいしかなくて、たった30分見て買うか買わないかを決めていきますよね。そうした中で、ホテル×製品×土地性の組み合わせは、色んな側面からその土地を伝えることのできる素敵な組み合わせだなと思いました。

他にも、個人的に不動産開発に興味があるのですが、首都圏では大規模な開発が行われていて、このままではその土地の記憶や風景が破壊されて無機質な街が広がってしまうのではないかと感じることがあります。そうではなく自然の環境がある土地性や、地域と生きている開発がされるべきだと思います。そこで、実際にそうした取り組みを行い、岡山・児島の魅力を発信するfloatで働いてみたいなと思い、インターンシップに応募しました。

都会にはない自然のエネルギーと出会いを得た

――ありがとうございます。インターンに行ってみて、どんなことを学べましたか?

普段は僕自身、外を見る機会や自然を感じる時間が少なかったのですが、自然の与えてくれるエネルギーや、自然の凄さに気づきました。これまで宿泊施設の長期滞在・ホテルの内部に関わる経験がなかったのでとても新鮮でした。今学期はリモート授業になり、パソコンに向き合っている時間も多くなり、心身的にも疲れているなと感じていました。でもインターンで現地に行ってみると、海が目の前にあって、一年中晴れている岡山の気候や瀬戸内海の自然の恩恵が受けられる環境でした。

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(客室から見える瀬戸内海)

都心部でインターンも授業もリモートになり、忙しさをより感じる環境がストレスになっていたのですが、児島では流れる時間もゆっくりになって、リフレッシュできました。
ホテルの前に海が広がっていると言いましたが、SUP(サップ)(注:サーフボードに乗ってヨットのように漕ぐアクティビティ)に乗ったり、児島の魅力を発見しました。

ホステルの近くに国指定の自然公園があり、パラグライダーやロッククライミングといったアクティビティも楽しんだり、普段、都会ではできない経験や出会いがあります。

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(SUPとロッククライミング)

オンライン授業が終わったあと、王子が岳の山頂まで行き、クライミングが好きなので、他のクライマーと岩に登ったり、ホステルに滞在している中でお客さんとお話したり、一緒に御飯を食べたり、普段出会わない個性豊かな人に出会えたことも、floatで得たことかなと思います。

今回の出会いを通して、これから僕自身、何をやっていこうかなと考えたときに、無機質なことをしたくないと考えるようになりました。人や生活を豊かに感じられる価値を提供できるような仕事に就きたいなと、floatで豊かな時間を過ごさせていただいた一人として、強く思いました。

インターン第1号としてオープンな環境を感じた

――インターンでは、どんな業務をしていましたか?

決まった業務としては客室と共有部分の清掃だったのですが、僕はインターン第1号だったので、これからのインターン生がどうしていくかを決める参考のモデルでした。これからのインターン生は、旅行プランの作成などをしていきます。現在ではコーヒーに関するプロジェクトが進んでいたりと「こういうことがしたい」という想いがあれば、それが実現できる場所だと思います。

僕自身は、王子が岳に登りに行っていて気づいたことがありました。国立公園なので、クライマーにも有名なエリアで、「車にマットを詰めて山頂まで上がり、登って帰る」ということをやっていて、何日もかけてやる人もいれば、年何回も来る人もいるんです。
でもクライマーの方たちに「float知ってますか」と聞いてみると「知らない」とのことで、認知されていなかったのです。「floatに泊まって、王子が岳に登る」という導線ができたらいいなと思い、ホステルでマットを貸し出ししたり、クライマー向けのPRをして集客できたらもっと面白いんじゃないかと提案をしました。提案をしやすいオープンな環境なので、やってみたいことがある人はぜひインターンに参加してみたらいいと思います。

――クライマーの方とお話をして実際に泊まってくれた方はいましたか?

すでに帰る予定で来ていた人も多かったので、それはなかなかいませんでした。
僕自身、クライマーの人と接点があり、floatのことを話したりしていたので今後そういうお客さんが増えたらいいなと思いましたし、児島の魅力が色んな人に届けばいいなと思いました。

――インターンシップとオンライン授業の両立は難しくなかったですか?

午前中は基本的に客室・共用部分の清掃があるのですが、リモートや授業が入っている場合はそれを優先できました。少なくともお客さんが来る前に清掃ができていればよかったので、授業や外せない用事があるときはすごく柔軟に対応してくださいました。
業務が終わったあとはフリーな時間で、ぼくはサップやクライミングといった児島で楽しめるアクティビティをしたり、島田さんと一緒に地域のイベントをしたり、クラフトビールの仕入れをしたりしました。

六島という人口60人くらいの小さな島があるのですが、そこでビールの醸造所をやっている人がいて、「おもしろいよね」ということで島田さんがアポイントを取って、行って、試飲して、仕入れをしました。実際にそのビールが今floatに並んでいると思うのですが、そういった仕入先に行くのもご一緒させていただきました。

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(人口60人の島、六島)

地域と交流する豊かな時間のなかで、挑戦への意欲が出た

――最後に、float で働いて分かった魅力を教えてください。

毎朝起きたとき、寝るときに聞こえる海の音だとか、太陽が海にあたって反射し、とても暖かく、自然を感じられる環境でした。
釣りやバーベキュー、ハイキングもできますし、幅広いアクティビティができる環境が広がっているのは日本でも珍しいと思います。瀬戸内国際芸術祭のエリアにも近いので、アートに関心がある方にもおすすめです。

運営しておられる島田さんと山脇さんが日本一周していたこともあって、いろんな業種や世代の面白い人が来て、「一緒に何かやろう」という話もその場で生まれていました。地域についての話も、全然知らないお客さんがスタッフの人に聞くのですが、お客さんにおすすめのお店を何件かとても詳しく教えていました。地域に触れてもらいたいという思いから、お客さんにお食事処などを教えて、帰ってきたら、またそれについて話したりしていました。地域を散策してまた戻ってくるという導線がとてもいいなと思いました。
ホテルの生活を通じて、デニムのことを知ったり、地域の交流をしたりして、とても豊かな時間を過ごさせていただいたことを、いまインタビューを受けながら思い出しました。

――熊坂さんは、インターンシップの経験を踏まえて、これからどんなことにチャレンジしたいですか?

興味を持ったことに対しては、よかったと感じるだけではなくて行動して形にしたいなとは思っていて、誰かのもとでなにかをすることが多かったのですが、自分で何かを立ち上げて個人的なプロジェクトとしてやってみたいと思いました。島田さんや山脇さんをはじめ、個性的な方が多く集まり交流している環境が心地よかったですし、自分自身も「面白いな」で留まらず、失敗してもいいから、とりあえず1回やってみようと思えました。現在、生まれてからずっと過ごしている地元に対して、観光協会と関わりイベントの企画、運営に動いているので、それをしっかり形にしていきたいと思っています。

――業務のみならず、交流した方々の姿や生き方からも、学びを得られたのですね。本日はありがとうございました。

(取材・編集:一般社団法人Intellectual Innovations 柚江夏弥、鈴木七海)

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https://www.chillnn.com/1715936943fac/shopping/step1

DENIM HOSTEL floatを運営されている島田舜介さんのインタビューはこちら!
https://note.com/lng/n/nd2b768842dc9?magazine_key=m4ac153a3ba32

Tourism Academy SOMEWHEREは今後、大学の授業設計に参画していくだけでなく、その他の多くの方々にも観光事業に関心のある方々へ学習コンテンツを提供していきます。

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