【短歌一首】 籠の中不安と安堵の手負ひ猫しょはれ医者ゆく十七の秋
今年11月で17歳になる猫。
普段はよく食べ、よく眠り、よく遊び、こちらを格下扱いでワガママに元気に暮らしているが、それでも17歳となると以前よりもジャンプ力が落ちたり、体を痛めやすくなったりしてきている。以前は一気に飛び乗れた高い場所にも、登ることをためらったり、二段、三段と数回に分けて登ったりすることもある。
最近、一緒に住んでいるもう一匹の猫に追いかけられた時に、左の前足を少し挫いたようでときたまヒョコヒョコと歩いている。
ペットクリニックへ連れていくためのリュックタイプのカゴの蓋を明けて中に入れようとすると、不安そうな顔をしていて最初は少し嫌がる様子を見せたが、その後はわりとおとなしくカゴの中に入った。
自分でも体調が思わしくないと感じているのか、不安そうな中にもどこかホッとしているようにも見える。
これからペット・クリニックへ連れて行かれることはわかっているだろう。ウチの猫のことをよく分かっていて優しくしてくれるクリニックの先生の前では、いつもおとなしくして言うことをよく聞いている。自分の心強い味方だと分かっているようだ。
長く一緒に住んでいると猫の体調が悪い時はなんとなく分かる。もうすぐ17年目になるが、いつまでも元気でいてほしいな。
猫間英介
生き物の短歌を集めました。