音楽で聴くブランドの話 - Apple
みなさん、こんにちは!
本日の記事は、「音楽で聞くブランドの話 - Apple」です!
Appleは昔から音楽にかなり本気を出していたブランドですね。
著作権を守り、アーティストとミュージシャンたちにしっかり対価が払われるように「iTunes」を作り、「音楽を買う」という文化を定着させたり、
2014年買収した「Beats By Dr.Dre」のサービス、「Beats Music」を元に「Apple Music」を成功的にサービスしたり、
「Airpods」のような完全ワイヤレスイヤフォンの成功を通し、ワイヤレス機器での音楽体験を世界のデフォルトに変えました。
その他にも空間音響を通したDoly Atmosのポピュラー化、音楽検索サービスShazamを買収したりなど、音楽業界を何度も変えてきた「ゲームチェンジャー」です。
それだけ音楽に本気を持っているAppleは、
新しい機械や広告宣伝を出す際も、自分たちの表現したいイメージに合う楽曲をえらんでいますね。
今回の記事では、Appleの広告や
企画に使われた音楽を皆さんに紹介したいと思います!
01. iPhone 16、 「Ahadadream, Priya Ragu , Skrillex - TAKA」
9月20日に発表されたiPhone 16の紹介動画では、「Ahadadream, Priya Ragu , Skrillex - TAKA」が使用されました。
今回の新作iPhoneはカメラのレベルアップ、そしてAIの強化が最もポイントである進化だったのですが、より進歩したiPhoneの機能を表現するため、Appleはトレンディなハウス楽曲を選びました。
面白いところは、より人工的なサウンド、デジタルなサウンドをしている楽曲を使えば、より進歩したiPhoneを紹介できたかもしれませんが、
金属のパーカッション、多くは加工されてない「TAKATAKATA」というヒューマンボイスからすると、なぜか人間的な暖かさも感じたりしますね。
Appleはいつも使用者の経験を大事にし、
人に優しい製品を制作すること、人同士の暖かさがある製品を一番大事な企業哲学だと言っています。
単純な技術の進歩が大事なのではなく、使用者がどう経験するかが大事だと言ってきた分、ハウスリズムを通してより進化したiPhoneを紹介しづつも、人間的な暖かさを持っている機械であることを強調したかったのかな、と感じました。
02. A climate change promise from Apple,「Jóhann Jóhannsson - Flight From The City」
Appleは2020年炭素中立を宣言、少しでも環境を守るために再活用素材を活用したり、無意味なゴミを作らないようにすると言いました。
そのせいで無料でもらえた充電器をもらえなくなったり、商品の品質が下がったりなど、色々な問題もありましたが、
Appleは人の感性を刺激する広告を作ることでその理由と説明しました。
「次世代のために環境を守りましょう」と言ったら
大袈裟のように感じたり、あまり伝わらないですが、
「自分の家族、自分のことどものために環境を守りましょう」と少しだけ観点を狭めることで、伝えたかったことをうまく表現できているようです。
当CMに使われた楽曲は「Jóhann Jóhannsson - Flight From The City」であり、上でも説明したように、「人間に優しい」、「人間同士の暖かさ」を感じられる素敵なピアノ楽曲です。
最初から最後まで、同じモチーフを述べるだけのミニマルな楽曲ですが、バックグラウンドに楽器が一つずつ重なり、気持ちよく強調していくのが特徴的な楽曲です。
Appleはいつも「進歩」、「イノベーション」を代表する企業として認識されてきたかもしれませんが、その中には人間の暖かさが必要であることを思い出させてくれる素敵な選曲のCMでした。
03. iPhone 15 Plus, 「Doe Boy - Way Too Long」
iPhoneの中でも、サイズが大きいモデルは、画面の広さも魅力的ですが、やっぱり長持ちできるバッテリーも無視できないセールズポイントですね。
大容量のバッテリー、Magsafeを使ったワイヤレスのおかげで、前作より充電が入らなくなったiPhone15 Plusの魅力を、もう会えなくて悲しんでいる電気コンセントの立場で表現したのがとても面白いCMですね。
楽曲として使われた「Doe Boy - Way Too Long」は、
離れてしまった愛する相手への気持ちを詩的に表現した歌詞で、
ラブソングとしても素敵な楽曲です。
どうみてもラブソングの歌詞なのに、なぜかiPhoneとコンセントにも当てはまりますよね。特に「We, we had pure energy」とか…
Appleらしいユーモアが混ぜられながらも、
商品のセールスポイントをうまく伝えている面白い選曲でした。
04. iPhone 14 Pro, 「NewJeans - ETA」
NewJeansの人気曲、「ETA」のPVはAppleとの共同企画で、すべてiPhone 14で撮影されました。
ETAの意味は、Estimated Time of Arrival (到着予定時間)であり、
英語圏では電話上「何時につくの?」と聞く際に「What's your ETA?」という表現をよく使われるみたいですので、iPhoneとの相性も良かったかもしれません。
また、
ダンスなど激しい動きが多い動画である分、iPhone 14 Proのカメラ機能を紹介するにも良かったのかな、と思われます。
05. The Underdogs (Escape From the Office), 「DJ Snake, Lil Jon - Turn Down for What」
Appleは昔からUnderdogを自任してきました。
Apple 初めてのテレビCMを見ても、既存の業界を壊し、新しいトレンドを作る革命家のイメージを維持してきた分、Appleは世界的な企業になった後も相変わらずUnderdogとしての考え方をベースに技術を開発しています。
AppleのCM、「Underdog」シリーズは、Appleの製品を使って、自分たちの会社を開業していく若い人たちの話である宣伝用ドラマです。
その中でも一番初めてのエピソードである「Escape From the Office」は、嫌だった会社を辞めて、新しいプロダクトを企画する内容を含めています。駐車場を飛び出すシーンで流れる「DJ Snake, Lil Jon - Turn Down for What」は、Lil Johnの独特な声と、独特なリズムが特徴となり、のんびりとしてたドラマに開放感をくれます。
会社では無視されたチームが、
Appleが追求した「イノベーション」、「革命」を叶えていくストーリ、
そして一瞬ですが、「Turn Down for What」を通して喚起されるドラマの雰囲気がとても魅力的な宣伝ドラマでした。
06. iPad Pro, 「リトルマーメイド - Part of Your World」
iPad Proの発売をAppleは「新しい時代の始まり」によく例えてました。
散らかされたケーブルたち、携帯できない高性能のパソコンなど、
「欲しいものはすべて手にしている」と思っているみんなですが、
何かしら自分の生活に物足りなさを感じ、「I Want more」(もっと欲しい)と歌いながら、窓の外からiPad Pro を使っている女性をうらやましそうに見て、CMは終わります。
「Part of Your World」は有名すぎる曲で、知らない方はいないと思いますが、1989年、ディズニーから発表された映画、「リトルマーメイド」に収録された楽曲です。「よく見て、素敵ね」という始まりの歌詞を老若男女聴いたことあるかと思います。
海の中でも十分安全で幸せだが、自分の知らなかった世界、人間が住んでいる陸上に上がってみたいと夢を歌う「Part of Your World」を、Apple製品を羨ましがっている人たちに例えリメイクしたのがとても面白いですね。
Appleの製品を買うことで、うらやましがっていたあの人達の一部になれるよ、とか、めんどくさいケーブルとか邪魔な付属品がない、快適な「新しい時代の始まり」を経験できるよ、と消費者に伝えているようで、Appleのストーリ性のあるCMにぴったりな選曲でした。
みなさん、いかがですか?
音楽はいろんなところに使われてますが、
特に伝えたい雰囲気を作るのに最も効果的なのではないかと思います。
「音楽で聴くファッションブランド」シリーズで紹介したように、
各ブランドは自分たちのアイデンティティーを消費者に伝えるために、素敵な楽曲を探しています。
みなさんは記憶に残ったCMやブランドの音楽がありますか?
コメントにみなさんが好きだった広告宣伝の音楽を教えてください!
自分だけの素敵な楽曲、
I'chiba'nと一緒に作ってみませんか?