いつも缶コーヒーを買っていたのは香りを忘れさせないための魔法だった

朝6時、目覚ましより先に目が覚めた

そんなことが現実には一回も起きたことがなかった
二度寝してしまう布団の中で、もう一度あなたの声を聞いた
もう一度だけ聞いたら起きようと思っていた
何回も何回も聞いて、気づいたらまた寝ていた

「なんにもしなくていいから」
ううん、君のためならなんでもしたいと思うよ

「こんな自分でよかったの?」
君が良かったんだよ、言えなかったけど

「この関係、名前つけたほうがいいかな」
つけなくてもいいよ、それで一緒なら

幸せな時ばっかり邪魔して
夢で会えたところで、なんにもならないよ
起きたらコーヒーを淹れよう

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