漂流図書室

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きろくの先まで、 きおくをのせて。 https://hyoryulibrary.com/

最近の記事

漂流物の本棚#0001

漂流図書室は、誰かの記憶を乗せた『本と手紙』のシャッフル交換を通じて、『物語との偶然の出会い』を育んでいくアートプロジェクトです。全国から思い出の書籍と個人の物語を記した手紙を送ってもらい、スタッフが無作為に交換して再び送ります。 受け取った人は、まったく面識の無い他人の物語を知ることになります。 『漂流物の本棚』シリーズでは、漂流図書室の歴代参加者のなかより、掲載許可をいただいた方の手紙と実際の書籍を抜粋して紹介していきます。 =====================

    • 漂流図書室物語03『返信なき往復書簡』

      拝啓 親愛なる16のわたしへ  睦月も中旬の大阪は、ひどく冷え込んでいます。実際の気温はわかりませんが、少なくとも心が冷えた感覚があります。あなたはお元気でしょうか。  訳合ってあなたに手紙を書くことにしました。16のわたしです。時間の法則上、返事はあり得ないでしょう。返信の期待できない往復書簡です。それでも往復と付けたいのです。  万が一16のわたしが目にした時のために具体的なこと、ディティールは書けないことをご容赦ください。昨年、20☓☓年というのは驚きに満ちた年で

      • 漂流図書室第三弾参加者募集

        みなさまお久しぶりです。漂流図書室図書委員会です。 本日より漂流図書室第三弾の参加者募集をはじめます。 第三弾テーマ『ふるさと』好きになれず抜け出した場所が、 私に頑張れって言い続けてくれる 【漂流図書室とは?】 公式HPはこちら 【スケジュール】 STEP1. 申し込む  ~1月5日(火)23:59迄 STEP2. 書いて贈る ~1月10日(日)消印有効 STEP3. 届く    1月17日(日)から随時発送予定 【参加のしくみ】 STEP1.申し込む ・チケットを

        • 漂流図書室物語01『揺蕩うきろくときおく、ひみつ』

          「誰にでも一生に一度くらいは面白い物語をつくることができるもんですねぇ」  あるコントの、ある小説家らしき存在「常居次人」のセリフである。作品自体は、ややホラーというかシュールな展開であり、トラウマものですらあるが、その中でもこのセリフは妙に印象に残る。杉山哲人は自然な人生の流れの中で、不自然にも小説家という道を選んだわけだが、実はこのセリフがきっかけだった。「自分にも、一本くらい面白いものが描けるかもしれない」と。  新卒で不動産会社に就職した杉山は、様々な顧客を相手に

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